仮想通貨の取引ってどんな税金がどれくらいかかるの?損失が出たら?

2020-12-09
(
Wed
)

個人が所得を得た場合、所得税などの税金がかかります。これは、仮想通貨取引によって利益を得た場合も例外ではありません。そのため、仮想通貨の取引を行う場合は、課税関係に関してしっかり理解しておくことが必要です。そこで、仮想通貨取引によって生じた利益にはどのような税金がかかるのか、どのタイミングでいくら課税されるのかについて解説します。

※本記事はあくまで参考情報であり、くわしくは税務署・税理士へのご相談を推奨します。

1.仮想通貨の所得の分類は?課税対象になるタイミングとは?

仮想通貨の売買取引などによって所得が生じた場合は、所得税と復興特別所得税、住民税がかかります。これらの税金は所得区分が設けられており、所得区分によって課税関係が変わってくることが特徴です。仮想通貨取引による所得は、原則として「雑所得」に区分されることになっています。ただし、事業として仮想通貨取引を行っている場合に生じる所得に関しては、事業所得に区分される場合があります。

仮想通貨の課税関係で正しく理解すべきポイントの1つは、課税対象となるタイミングです。仮想通貨を購入したあと売却せず保有している状態であれば、含み益が生じていても課税されることはありません。課税対象となるタイミングは、仮想通貨を売却したときと、仮想通貨で決済を行ったとき、ある仮想通貨と別の仮想通貨を交換したとき、そして仮想通貨のマイニングにより報酬を得たときです。

課税対象となる所得金額は、売却益や交換差益となります。たとえば、必要経費がない場合において、10万円でビットコインを購入してそのすべてを50万円で売却したときは、その差額である40万円が課税対象となる所得です。

2.仮想通貨で税金がかかる基準

仮想通貨によって個人が所得を得た場合、所得税の確定申告が必要となる場合があります。確定申告が必要となるケースは、給与所得者とそれ以外の者で異なるため、それぞれの基準を正しく理解しておくことが重要です。ここでは、確定申告が必要となる基準について、給与所得者とそれ以外の者それぞれについて説明します。

2-1.給与所得者である場合

まず、サラリーマンなどの給与所得者が仮想通貨取引によって所得を得た場合についてです。給与所得者の場合、給与所得以外の所得が20万円を超える場合については確定申告が必要とされています。

サラリーマンは、一定の場合を除き、給与所得や退職所得について会社が必要な税額を源泉徴収して従業員本人に代わって納税する仕組みになっています。このため、給与所得や退職所得しか生じていなければ確定申告を行う義務はありません。ただし、それ以外の所得が20万円を超えている場合は、確定申告を行う義務が生じます。

給与所得者が仮想通貨取引によって得た所得が20万円を超えた場合は確定申告が必要ですが、20万円以下であっても申告義務が生じる場合がある点にも注意が必要です。たとえば、仮想通貨取引以外にも雑所得に該当するアフェリエイト所得などがある場合は、これらを合算して20万円を超えるかどうかで判断します。合算しても20万円以下であれば、確定申告する必要はなく、雑所得に関しては税金もかかりません。

2-2.給与所得者でない場合

続いて、給与所得者以外の場合です。サラリーマンなどの給与所得者以外の人は、原則として確定申告が必要とされています。ただし、所得金額が無条件で適用を受けられる所得控除である基礎控除以下のときは、基礎控除後の課税所得はゼロとなるため、結果として確定申告する必要はなくなります。

そのため、学生や専業主婦・主夫の場合、仮想通貨取引によって得た所得が48万円以下のときは、確定申告義務は生じません。仮想通貨取引以外の所得がある場合は、合算して48万円以下かどうかで判断します。また、個人事業主は、事業所得と仮想通貨取引で生じる雑所得を合算して48万円以下かどうかで確定申告義務の有無が変わります。

さらに、基礎控除以外の所得控除の適用を受けられる場合は、48万円以上であっても合算した所得金額が所得控除額以下であれば税負担は生じません。住民税の基礎控除は43万円です。専業主婦など配偶者の扶養対象となっているケースでは、扶養から外れるかどうかにも注意する必要があるでしょう。仮想通貨取引による所得金額が大きくなると自らが納税者となり、配偶者側で扶養控除の適用を受けられなくなります。家計全体での税負担を考慮することも大切です。

3.そもそも「確定申告」とは?

個人が仮想通貨取引で一定額以上の所得を得た場合は、所得税の確定申告が避けられません。そのため、確定申告に関する知識は欠かせないといえます。しかし、確定申告になじみがないという人も多いでしょう。そこで、確定申告とは何かについて解説します。

3-1.確定申告とは?

個人の所得を課税対象とする所得税は、原則として申告納税方式がとられています。申告納税方式とは、納税者自ら所得計算を行って課税所得と納税額を確定する方式です。納税者が行った課税所得計算と納税額に関して税務署に申告することを確定申告といいます。所得税の確定申告は、その年の1月1日から12月31日までの1年間に生じた所得が対象です。確定申告を行う時期は、対象となるその年の翌年2月中旬から3月中旬とされています。

給与所得者の場合、給与所得と退職所得については、一定の場合を除いて会社が年末調整を行い、源泉徴収の仕組みによって納税まで行われるため確定申告は不要となっています。ただし、仮想通貨取引による所得が一定額を超える場合に確定申告義務が生じます。

3-2.申告と納税をしなかったらどうなる?

確定申告義務があるにもかかわらず、確定申告をしないとどうなるかについても知っておく必要があるでしょう。仮に仮想通貨取引によって得た所得が20万円を少し超えていたとしても、もっと多額の利益でなければ申告しなくても税務署に知られることはなく、問題ないのではないかと考えてしまうことがあるかもしれません。
しかし、こういったケースは、申告義務や納税義務に違反していることになる点を十分認識しておく必要があります。

申告義務が生じているにもかかわらず申告しない場合、延滞税や無申告加算税などのペナルティが課されます。また、悪質な課税逃れとみなされるとさらに重いペナルティが課されることもあるのです。税務署は、仮想通貨取引に関する情報について取引所を運営している仮想通貨交換業者から報告を受ける仕組みになっており、所得があったことは確実に把握しています。

また、調査によって銀行口座などから情報を得ることもあるのです。申告すべき所得が生じているときは、バレないだろうなどと思わず、しっかりと確定申告を行うことが重要です。

4.税率はどれくらい?

所得税は、所得区分や税額によって税率が変わる仕組みになっています。仮想通貨取引を行う場合は、所得に対して課される税率や税額計算方法についても知っておくことが大切です。所得税の計算において、仮想通貨の所得を含む雑所得は総合課税の対象となる所得とされています。

総合課税の対象となる所得金額に対する所得税は「課税される所得金額」×「税率」-「控除額」で税額確定を行う仕組みです。「課税される所得金額」は、給与所得や仮想通貨所得が含まれる雑所得など総合課税の対象となる所得を合算して算出します。

総合課税の対象となる「税率」は、超過累進税率が適用されます。超過累進税率とは、所得金額が多ければ多いほど適用税率が上がる仕組みの税率体系のことです。「税率」と「控除額」は、「所得税の速算表」で見ることができます。また、仮想通貨取引を行う人を対象にした仮想通貨の所得計算用の税額計算ツールなども提供されています。自ら計算した税額が正しいのかどうか不安な人は、こういったツールを利用するとよいでしょう。

5.仮想通貨取引で経費にできるものとは?

仮想通貨取引の所得は、取引による売買差益や交換差益から必要経費を引いて求めます。そのため、必要経費をもれなく控除すれば所得の圧縮につながり、節税が可能です。仮想通貨取引を行う場合は、どういったものが必要経費の対象になるのかについてもしっかり理解しておく必要があるでしょう。必要経費とは、収入を得るために直接必要となる支出のことです。具体的には、取引に使うパソコンやスマホ本体の代金、取引に関わるネット接続などの通信料、消費される電気料金、さらには取引に関わる各種手数料などが含まれます。

また、仮想通貨の仕組みや取引手法を勉強するために購入した書籍や参加したセミナー料金、セミナー会場への交通費なども必要経費です。ただし、パソコンやスマホについては、仮想通貨取引以外にも使用している場合、合理的な基準により仮想通貨取引に該当する分だけが必要経費の対象となります。必要経費の対象となるかどうか判断がつかない場合などは、専門家である税理士などに相談するとよいでしょう。その相談の際にかかる報酬も必要経費の対象です。

6.損失が出た場合はどうなる?繰り越しは?

仮想通貨取引を行うと、利益が得られるケースばかりではなく、損失を被ってしまうケースもあります。損失が生じた場合、課税対象となる所得は生じていないため税負担は生じません。そのうえで、仮想通貨取引による損失は、ほかの所得と相殺できる場合があることも知っておきましょう。

仮想通貨の損失をほかの所得と相殺できれば、総所得を圧縮して節税できます。ただし、仮想通貨の損失で相殺できるほかの所得は、同じ雑所得に区分される一定の所得だけです。給与所得や事業所得などとは相殺することはできません。

また、同じ雑所得に区分される所得であっても、FX(外国為替証拠金取引)によって生じた所得は、FX関連の所得として分離して課税さることになっているため、仮想通貨の損失との相殺は認められないことにも注意が必要です。さらに、株式等の譲渡所得などとは異なり、ほかの雑所得と相殺してもしきれない仮想通貨の損失は、翌年以降に繰り越すことができないことも知っておきましょう。

プロの力も借りつつ正しく納税を

いかがでしたでしょうか。仮想通貨取引は税金と切っても切れない関係にあります。確定申告の経験がない場合などは、いざ確定申告が必要となったときに正しく計算できるだろうかと心配する人もいるでしょう。正しく対処するためには、不明な点があるときは税務署や税理士に相談をすることが重要です。プロの力を借りて正しく申告・納税を行いましょう。また、計算ツールを利用することも有効です。

No items found.
新着記事
VIEW ALL
新着記事
VIEW ALL
市況・相場分析
VIEW ALL
調査レポート
VIEW ALL

ニュース速報

VEIW ALL