ビットコインのデリバティブ市場推移:引き続き過熱感は見られないが、価格は今後もマクロイベントに左右されるか

- 今週のビットコインの値動き
今週のビットコインはマクロ的なイベントに影響され、上下に大きく動く値動きとなった。週始めは440万円で推移していたが、450万円付近がレジスタンスとなり上値が重い値動きになった。ロシアのウクライナ侵攻のニュースが市場に伝わると、株式などの伝統的市場と共にビットコインも売られる展開に発展した。今週の安値を更新すると売りは加速し、ビットコインは一時400万円を割り込んだ。しかし市場が弱気に傾きすぎていた反動から、価格の上昇はさらに早かった。価格は一時460万円付近まで上昇する動きがみられた。現在は、今週の始値より小幅に高い445万円で推移している。450万円を超えることができるかが今後の重要なポイントになりそうだ。

- 資金調達率
資金調達率は間近の上昇でマイナスに振れており、価格の上昇に伴い戻り売りで入るトレーダーが多いことを示している。今週は21日以降マイナスで推移することが多く、450万円より下はショート比率が増える傾向がある。資金調達率は一時-0.007を下回り、ここ1ヶ月の安値を記録している。今週はマイナスになる傾向が多かったが、400万円付近では資金調達率は小幅にプラスに転じており、安値圏ではショートカバーが入っているようだ。

- ロング・ショートポジションの清算
今週はロングとショートの両方に大きな清算が出ている。2月24日に420万円から400万円割れまで下落した際に3340万ドルのロング清算が発生した。ロングの清算額としては、ここ1ヶ月間で最大だった。昨日、安値400万円を付けたビットコインは25日明け方に急反発しており、この上昇時に4640万ドルのショート清算が発生した。清算額だけを比較するとショート側の方が清算を多く出した。ショートの清算としては2021年10月以来の高さだった。

- 未決済建玉
キャッシュマージンの未決済建玉は昨年から増加傾向にあるが、今週は、昨日の乱高下の影響から減少した。久々に17万ドルを大きく下回った。キャッシュマージンの動きとは逆にBTCマージンは足元で上昇している。現在は13万BTC付近で推移している。上昇局面ではBTCマージンが上昇する傾向があるため、今後も注視していきたい。

- 先物年次乖離率(3ヶ月先)
先物価格の年次乖離は下落傾向が続いている。今週は乖離率が6%を下回り、間近では4.5%程度で推移してる。先物価格は引き続き過熱感がない状態で推移しており、多くの投機家が今後の価格の大幅上昇を予想していない。乖離率は2021年8月以来の低水準で推移している。

- オプション取引
今週期日を迎えるオプション取引では、価格が下落していた影響から、コールオプションで利益が出るポジションがほとんどない。3.7万ドル以下のコールオプションは存在せず、多くのポジションが現在価格より上位にある。プットオプションでは、利益が出るポジションがある一方で、損失が出るポジションも多くある。昨日は下落した後、強く反発したためプットポジションでも大きな利益は出なかった。

- 今週のまとめ
デリバティブ市場では引き続き過熱感はなく、今後も価格が大きく続落する可能性が低いことを示唆している。しかし最近はマクロ的なイベントや株式市場に価格が連動する傾向があり、ビットコイン単体でトレンドが反転することは難しそうだ。今週はアメリカの主要株価が安値を更新していることに対し、ビットコインは安値を死守しており底堅さもみられた。世界の金融市場でリスクオンムードが広がれば、ビットコインが大きく上昇する土台は作られていると言えるだろう。
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