Bitcoin Weekly Review: ロングポジションは引き続い多い状況、上値の重しとなることが予想される

今週の値動き

• 今週の始値は367万円近辺で取引が始まりました。週前半は買いが先行し底堅い動きとなりました。価格は一時380万円タッチにしました。一方、先週の高値圏となったこの価格帯では上値が重くなりました。週後半は売りが優勢となり、一時今週の安値を割り込み。362万円まで下落しました。足元では安値から反発し24時間移動平均線（24EMA）を上回って推移しています。再度移動平均線を割り込むようなら、360万円の安値を試す展開が予想されます。

今週のデリバティブ市場

1.無期限先物取引の資金調達率

• 今週のビットコインの資金調達率（FR）は安定してプラスで推移しています。現在は0.0075%程度で推移しています。大きくプラスに偏っているわけではありませんが、デリバティブ市場ではロングポジションの比率が高いことを示しています。ロングポジションの偏りが解消されない限り、相場は上値が重い展開が予想されます。

2.ロング・ショート清算

• 今週のロングとショートの清算では、ロング側で600万ドルから500万ドルの清算が複数回ありました。価格の下落時に多くのロングポジションが狩られました。ショートポジションでは300万ドル程度の清算が発生しています。今週はビットコインの値動きが小幅だったため、ロング・ショート共に1000万ドルを超えるような大きな清算とはなりませんでした。
• 3.先物価格乖離（3ヶ月）

• 3ヶ月先の先物取引価格と現物価格の乖離率は足元で低下傾向にあります。ビットコイン価格が下落しているため、先物取引で買いを解消する動きが見られます。現在の乖離率は2%程度で推移しています。乖離率は低下している一方、まだ上乖離が続いており投機筋は今後の価格上昇を見越して買い寄りのポジションとなっています。

今週のオンチェーン

1.取引所保有のBTC推移

• 取引所が保有するBTC数量はここ2週間で低下しています。ユーザーが取引所から現物を引き出す動きが多い状況です。取引所保有BTCが低下すると、今後の売り圧力の弱体化が期待されます。ここ2週間で約3万BTCが取引所から流出しています。

2.含み益アドレス割合

• ビットコインの含み益アドレス割合は価格の下落と共に低下が続いており、現在はここ数週間の最低水準となっています。現在は含み益アドレス割合は65%程度となっています。足元で価格が下落している一方、まだ含み益が出ている割合は50%を超えています。ヒストリカルデータでは含みアドレスが50%を割り込むと売り圧力が減少する傾向があります。

まとめ

• 今週は380万円まで上昇しましたが、先週同様に再度売られる展開となりました。価格は足元の安値360万円台を試す動きもあり、まだ買い需要は弱い状況です。デリバティブ市場ではまだ買いポジションが多いことが示されており、上値の重しとなるでしょう。取引所保有BTCは足元で低下しており売り圧力の減少が期待されますが、弱気トレンドが反転するような動きは今の所見られません。現状は下落方向に注意が必要な相場となっています。