ご祝儀相場のビットコイン 来年ターゲットは10万ドルでも保守的?

12月16日、代表的な暗号資産(仮想通貨)であるビットコイン(BTC)価格が、12月1日につけた史上最高値の19,915ドルを更新し初めて20,000ドル台乗せに成功しました。17日正午時点では既に22,000ドル台に乗せており、ご祝儀相場の様相を呈しています。
今年はとにかく、コロナ禍を受けた大規模金融緩和の影響で、機関投資家マネーの流入が著しく増加したことが、個人投資家の投資意欲も掻き立て、相乗的に相場の支えとなったと言えます。
本稿では、2020年の機関投資家動向を多面的におさらいした上で、来年はどうなるのか考察したいと思います。
まず、グレイスケールのビットコイン投資信託GBTCの資産運用額(AUM)ですが、今年1月時点で約18億ドルだったのが、12月には109億ドルと6倍以上増加しています(YCHARTS調べ)。11月にはグレイスケールが保有するビットコインが「50万BTCを超えた」というニュースが話題にもなりました。
そして、2017年12月から開始したシカゴマーケンタイル取引所(CME)のビットコイン先物市場でも、取組高だけでなく報告義務のある市場参加者数も今年の3月以降、右肩上がりとなり、本格的な市場の成長が見られました(第1図)。米国のビットコイン先物市場は、CBOEの撤退などなかなか成長が見られなかったのですが、今年はこれまで40人台で横ばいだった市場参加者も12月に110人にタッチしました。

また、今年はマイクロストラテジーを皮切りに、スクエアとストーン・リッジがビットコイン購入を発表。12月にはマスミューチュアルも1億ドル相当のビットコインに投資したと発表し、ついに大手生命保険会社もビットコイン運用をする時代になりました。
公開されている情報を元に、以上のグレイスケール、マイクロストラテジー、スクエア、ストーン・リッジ、そしてマスミューチュアルがどれだけビットコインを保有しているかというと、ざっと概算で60万BTCとなります。
これがどれだけすごい数字かと言うと、例えばですが、今年発行されるビットコインの総数を上回っているからです。2020年は、理論的には約44.7万BTCが発行されることになりますが、上記の機関投資家だけでそれ以上のビットコインを持っていることになります。また、市場に流通するビットコインを1,800万BTCに丸めると、全体の3%程度のビットコインをを上記の機関投資家たちが握っている形になります(秘密鍵をなくしたなどして凍結されたビットコインもあるので、実際の流通量はもう少し少ない可能があります)。
すごいですね。
この流れが来年も続くかと言えば、むしろ今年は始まりにすぎないと見ています。各国中銀は依然として当面の間、緩和政策を維持する見通しな上、来年はコロナワクチンの普及で経済正常化期待が投資意欲を一層高める年になると見ており、機関投資家の仮想通貨市場参入が加速してもおかしくないでしょう。
既にビットコイン相場は対ドルで今まで取引されたことのない価格帯である「真空地帯」に入っており、来年の上値ターゲットを見出し難い状況ですが、心理的な節目で大台となる10万ドル(約1040万円)は上値ターゲットの一つとして見据えておきたいです。
2万ドルから10万ドルとなると、400%の上昇となり、伝統的な市場のスタンダードからするとべらぼうな数字なのですが、これまでのビットコインのサイクルから言うと、実はかなり保守的な数字です。
これまで、半減期があった翌年のビットコイン相場は、2013年が約6,600%、2017年が約1,400%上昇と記録的なパフォーマンスを打ち出してきており、このサイクルが繰り返されるとなると10万ドルターゲットもむしろ現実的に見えてきます(第1表)。

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