BTCは対ドルで11月高値を回復 次の上値ターゲットは?

16日〜22日のビットコイン(BTC)対円相場の週足終値は、前週比269,062円(10.05%)高の2,945,837円と2週続けて大幅に続伸し、FTXショックの下げ幅をほぼ解消した。BTCの対ドル相場は昨年11月高値(21,500ドル≒278.2万円)の上抜けに成功し、一時は昨年8月ぶりに23,000ドル(≒297.7万円)を回復する場面もあった。
米株の利食いに連れ安となり週央に270万円を割り込んだBTC相場だったが、260万円台中盤で下げ止まると押し目買いの様相でジリ高に転じた。20日には暗号資産(仮想通貨)レンディングのジェネシスが破産申請をしたとの報道が転がり込んだが、織り込み済みだったこともあり相場への影響は軽微だった。また、この日は日本銀行が改めて緩和策の維持を示したことでドル円相場が上昇。これが円建てのBTC相場には追い風となり270万円を回復した。
20日米時間には、米連邦準備制度理事会(FRB)のウォーラー理事とフィラデルフィア地区連銀のハーカー総裁が、2月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での25ベーシスポイント(bp)利上げを支持したことでリスクオンムードが台頭。これによりBTCの対ドル相場は11月高値を更新し、円建てでは280万円をうわ抜けた。
値動きが落ち着きやすい週末にもBTC相場は上昇し一時300万円を回復したが、22日にはやや失速し週足終値での300万円回復には至らなかった。


昨年11月高値の上抜けには材料不足かと指摘したが、BTC相場の地合いは想定よりも強かった。足元では、昨年9月高値の22,650ドル(≒293.1万円)を挟み込む展開となっている(第2図)。テクニカルの側面では、BTCは対円、対ドルの双方で200日線回復、一目均衡表の三役好転が示現、ボリンジャーバンドの上昇バンドウォークが進行中となっており、一見すると強気一色と言える。週足終値での21,000ドル及び11月高値回復も、市場のセンチメントにはプラスと言えよう。
一方、BTCのRSIは相場の上昇に対して横ばいとなっておりダイバージェンスが指摘されることから、ここからの深追いには注意しておきたい。目先では昨年8月高値(第2図内黄線)がチャートの節目として上値ターゲットとなりそうだが、同水準は昨年6月から11月初旬にかけてBTC相場が形成したレンジの上限となり、相応に強いレジスタンスになると考えられる。先週と同様に、相場が上方にオーバーシュートしてから利益確定売りが入る展開には特に警戒している。

他方、今週はマイクロソフトやテスラ、IBMの決算を複数控えており、こちらも警戒を要する。業績下振れや人員削減はFRBが利上げペースを緩める切っ掛けの一つとなり得るが、先週はゴールドマンサックス(GS)の業績不振が米株式市場の重石となる場面もあった。先週のBTC相場はウォーラー理事とハーカー総裁の発言に助けられた反面、セントルイス地区連銀のブラード総裁やクリーブランド地区連銀のメスター総裁らのタカ派的な発言に市場が怯む場面もあり、景気減速のサインが、市場が予想するFRBの政策方針にいかに作用するか予想しづらい。
27日には12月の米個人消費支出(PCE)を控えており、同月の消費者物価指数(CPI)と生産者物価指数(PPI)の傾向からBTC相場にはポジティブな結果が出ると想定しているが、それまでは底堅くも不安定な値動きとなるか。



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bitbank Report 2023/01/23:BTCは対ドルで11月高値を回復 次の上値ターゲットは?
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