FRBを無視するBTC相場 楽観ムードも今週までか?

5日〜11日のビットコイン(BTC)対円相場の週足終値は、前週比302,662円(10.77%)高の3,112,369円と反発。ただ、相場は依然として6月末からのレンジ内で推移している。
イーサリアムのBellatrixアップグレード(The Mergeの第一段階)通過による売りと、8月米ISM非製造業景況感指数の上振れを受けた同国の金融政策引き締め懸念の再燃で、先週のBTC相場は週前半にかけて280万円から安値を模索する展開を演じた。しかし、相場は18,500ドル水準の270万円周辺で下げ止まると、ブレイナード米連邦準備制度理事会(FRB)副議長が積極的な政策引き締めによる経済へのリスクについて言及したことを好感して反転を開始した。
週後半にかけては、欧州中央銀行の75ベーシスポイント(bp)利上げや、パウエルFRB議長のタカ派的な発言があったが、米株式市場は悪材料を無視する形で上昇し、BTC相場も確り。8日には米証券取引委員会(SEC)のゲンスラー委員長からBTCを商品扱いする発言もあり、BTCは9日東京時間にショートスクイーズを伴い上値を追う展開を繰り広げ、20,000ドル水準の285万円を回復した。
その後も、米株の続伸、Blockchain.comがドバイ規制当局から営業許可取得、さらにMicrostrategyのBTC追加購入などが相場を支え、相場は8月19日ぶりに節目の300万円を回復。足元ではシカゴマーケンタイル取引所(CME)のBTC先物取引再開と同時に310万円を回復している。


先週はパウエル議長以外にもFRB関係者からタカ派的な発言が相次いだが、BTC相場は反発した。8月も原油とガソリン価格が低下し続けたことで、明日発表の米消費者物価指数(CPI)が7月から減速することが見込まれ、市場は楽観していると見ているが、来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)での注目は目先の利上げ幅よりも来年の政策金利の軌道と指摘され、依然としてタカ派的なサプライズが出る可能性は排除されていないと言える。CPIの発表で楽観ムードが持続する余地もあるが、FOMCが転換点となる可能性に注意したい。
また今週はイーサリアムのParisアップグレード(The Mergeの最終段階)が15日に行われる予定となっており、前後でのボラティリティの上昇には注意したい。
他方、先週も指摘の通りビットコインのハッシュレートは堅調に推移し続けており、昨日は市場最高値を更新して280Ehash/s台に乗せた。ハッシュレートは中期30日移動平均が長期60日移動平均でゴールデンクロスを維持し続けている。ハッシュレートの底入れは相場底入れの先行指標となってきており、BTC市場に安心感を与える一因となっているだろう。
オプション市場のスキュー指数も急低下しており、今週のBTC相場は底堅い推移が想定される。BTC対ドルは、足元、一目雲下限に上値を抑えられているが、同水準の上抜け成功の場合、雲上限や8月高値周辺の25,000ドル水準の356万円が上値目途としてある。上抜け失敗でも節目の20,000ドル(≒285万円)がサポートとして機能しよう。



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