BTC週足は重要な水準を回復 今週は重要指標目白押し

長谷川友哉
2022-08-01
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Mon
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先週(7月25日〜7月31日)のビットコイン(BTC)対円相場は33,043円(1.07%)高の3,112,710円と4週続伸。対ドルでは週足終値が、7週間ぶりに200週移動平均線を回復した。

シカゴマーケンタイル取引所(CME)のBTC先物の取引開始と共に先週のBTC相場は310万円周辺から下げ足を速めると、NYで破産申請をした暗号資産(仮想通貨)レンディングのボイジャーが、FTXからの救済案を拒否したことも嫌気され300万円割れを試した。その後も米連邦公開市場委員会(FOMC)を控え警戒ムードが広がると、相場は300万円を割り込んだが、21,000ドル水準となる290万円周辺でなんとか下げ止まった。

FOMCでは、市場の予想通り75ベーシスポイント(bp)の政策金利引き上げが決定されたことに加え、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長から政策金利がFRBの考える中立水準のレンジに入ったとの発言もあり、9月FOMCからの利上げ幅縮小が想起され、BTCは290万円中盤から310万円周辺まで一段高を演じた。翌日には米第二・四半期の国内総生産(GDP)が-0.9%と2期連続のマイナス成長となり、一時はリスクオフムードが広がったが、これによりFRBが積極的な利上げを控えるとの見方も広がり米株が続伸すると、BTCも連れ高になり320万円を回復した。

週末に差し掛かると、6月の米個人消費支出(PCE)と雇用コスト指数が上昇したものの、景気後退懸念がインフレ懸念を上回ったせいか米国債利回りが低下した。また、物価上昇が続く中で名目金利が低下したことで、実質金利は29日に急低下し、5年物は6月9日ぶりにマイナス圏に沈み、金利を産まないリスクアセットには追い風になった。

週末に入ると、Ripple社が公開した第二・四半期レポートで、同社がNFT領域進出を計画していることや、米証券取引委員会(SEC)との裁判に決着をつけることにコミットすると改めて表明されたことが好感され、XRP相場が上昇。BTCもこれに連れ高となり24,000ドル水準となる320万円を一時は上抜けるも、すかさず戻り売りが入り上に往って来いを演じた。また、ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁がCNBCとのインタビューで、「景気後退しているか否かとは別にFRBにはやるべき事がある」と、インフレ抑制を強調した事で、BTCは不安定な値動きの末反落に転じ、311万円まで押した。

ビットコインチャート
第1図:BTC対円チャート 1分足 出所:bitbank.ccより作成
ビットコイン概況
第1表:BTC概況 出所:bitbank.cc、Glassnode、coingeckoより作成

今週も米国の重要経済指標が目白押しとなっており、一息つく間もない1週間となりそうだ。まず、今夜は7月のISM製造業景況感指数の発表があり、PMI、物価、雇用の指数が注目だ。市場予想では、PMIの更なる低下が予想されているが、物価指数も低下が予想されており、結果が予想通りであればFRBの利上げ幅縮小の可能性を織り込みリスクアセットには追い風となるだろう。また、3日にはISM非製造業景況感指数、5日には雇用統計と、景気と物価に密接に関わる経済指標が次々に発表される予定となっている。7月は原油価格のピークからの下落に一部企業からのレイオフも散見されており、物価や賃金の上昇に歯止めが掛かり始めてもおかしくないだろう。

テクニカルの側面では、BTCの対ドルは24,000ドルのレジスタンスに上値を抑えられており、同水準の上抜けには今一つ手掛かり不足といった印象だ。ただ、冒頭でも触れた通り、BTC対ドルの週足は200週線の回復に成功しており、トレンド反転に向けて着々と礎を築いていると言える。

また、直近のビットコインのハッシュレートを見ると、短期移動平均線が上昇しており需給関係もやや改善方向に向かっているようだ。事実、6月のマイナーから取引所へのBTC送金量は、4,41.6BTCと10ヶ月移動平均を上回っていたが、7月は10ヶ月平均を下回り、前月比-30.1%の2,964.2BTCに低下していた。以前予想していた一部マイナーの撤退による需給バランスのリセットは起きていないが、テクニカルやマクロの改善の兆しが見え始めたことにより、実需筋の換金売りが後退し始めていると指摘される。

BTC相場は24,000ドルの上抜けに成功すれば、6月の下げ幅を解消するシナリオが視野に入り、29,000ドル〜32,000ドルエリア(≒384万円〜424万円)が上値目途としてある。

ビットコイン,マイナーから取引所へのビットコイン送金
第2図:BTC対円、マイナーから取引所へのBTC送金量チャート 出所:bitbank.cc、Glassnodeより作成
ビットコイン,先物資金調達率,ハッシュレート
第3図:BTC対円、先物資金調達率、ハッシュレートとディフィカルティチャート 日次 出所:bitbank.cc、Glassnodeより作成
ビットコインテクニカル分析
第4図:BTC対円チャート 日足 出所:bitbank.cc、Glassnodeより作成
アルトコインチャート
第2表:アルトコイン概況 出所:bitbank.ccより作成

PDFリンク
bitbank Report 2022/08/01:BTC週足は重要な水準を回復 今週は重要指標目白押し

著者
長谷川友哉
マーケット・アナリスト

英大学院修了後、金融機関出身者からなるベンチャーでFinTech業界と仮想通貨市場のアナリストとして従事。2019年よりビットバンク株式会社にてマーケットアナリスト。国内主要金融メディアへのコメント提供、海外メディアへの寄稿実績多数。

英大学院修了後、金融機関出身者からなるベンチャーでFinTech業界と仮想通貨市場のアナリストとして従事。2019年よりビットバンク株式会社にてマーケットアナリスト。国内主要金融メディアへのコメント提供、海外メディアへの寄稿実績多数。
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