期待インフレ底打ちの兆し 1月のパターン再来なるか?

長谷川友哉
2022-04-11
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Mon
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先週(4日〜10日)のビットコイン(BTC)対円相場の週足終値は、前週比444,289円(7.80%)安の5,249,338円と2週続落。対ドルでは、45,000ドル(≒562万円)の中期レジスタンスの上抜けに成功した相場だったが、同レジスタンスがサポートとして機能せず、割り込み、足元では42,000ドル(≒524万円)割れを試している。

Tesla CEOのイーロン・マスク氏が、Twitterの株式を9.2%取得したと判明し、DOGEコイン主導で週明けのBTCは上昇、翌日に同氏がTwitterの役員に起用されたと報じられると580万円にタッチした。しかし、この日は米連邦準備制度理事会(FRB)のブレイナード理事が、「系統的な」利上げと前回よりも「相当に早いペース」のバランスシート縮小を支持したことで、米長期金利が急騰。これに株式市場は動揺し、暗号資産(仮想通貨)市場にも売りが波及する格好で、BTCは安値を模索する展開に転じ540万円まで押すと、7日未明に公開された米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨で、会合参加者が概ねバランスシートの縮小に合意していたことが明らかとなり、同水準をも割り込んだ。

週後半には、米・マイアミで6日から開催されたbitcoin 2022にて、ロビンフッドの仮想通貨ウォレット展開開始、ライトニングネットワーク・アプリstrikeのshopify、NRC、BlackHawkとの提携、さらにホンジュラスのロアタン島とポルトガル領・マデイラ諸島のビットコイン法定通貨化と言った好材料に支えられ、相場は540万円を挟み込み底堅推移となったが、長期金利の上昇に歯止めが掛からず米株が上値を重くすると、つられて上値を重くし週末には530万円を割り込んだ。

その後、Tesla、Block(電子決済サービス)、ブロックストリーム(分散型台帳技術開発)が太陽光発電を利用したビットコインマイニングで提携すると報じられ、相場は540万円回復をうかがったが、シカゴマーケンタイル取引所(CME)で先物取引が開始されると、相場は反落し530万円を再び割り込んでいる。

ビットコインチャート
第1図:BTC対円チャート 1分足 出所:bitbank.ccより作成
ビットコイン概況
第1表:BTC概況 出所:bitbank.cc、Glassnode、coingeckoより作成

先々週にアセンディングトライアングルからのブレイクアウトに成功したBTCだったが、対ドルで節目48,000ドルと200日移動平均線が密集するエリアに上値を抑えられ反落し、トライアングルの中に押し返された格好だ。テクニカル的には、上昇トレンド開始を示唆するトライアングルからの上方ブレイクアウトがダマしとなり、失望感もあったか。ただ、移動平均線や一目均衡表といったトレンドを示唆するテクニカル指標は、依然として相場の強気な推移を示唆しており、先週の相場下落は調整の範囲内と言えよう。足元の42,000ドルは、これまでアセンディングトライアングルの中で相場のサポートとレジスタンスの双方の役割を果たしてきており、一旦は押し目として意識されよう(第2図)。

ビットコイン対ドルチャート
第2図:BTC対ドルチャート 日足 出所:Glassnodeより作成

2月の米個人消費支出(PCE)の上振れにより、FRBの政策引き締め加速観測が浮上したところに、ブレイナード理事のタカ派発言とタカ派的な内容だったFOMC議事要旨が公開され、米国の期待インフレ率も頭打ちとなり反落した。ただ、市場がこうしたタカ派的な材料を消化する中、今週は3月の米消費者物価指数(CPI)と卸売物価指数(PPI)の発表が12、13日にそれぞれある。ウクライナショックの影響が物価に反映され始めることに鑑みれば、前回からの物価上昇ペース加速が見込まれ、期待インフレは既に小幅に反発し始めており、1月同様にBTC相場も追随するシナリオを想定している。

先週は想定以上に相場が押したが、引き続き高値での揉み合いを続ける余地はあると見ている。CPIが市場の予想以上に加速すれば、FRBがビハインド・ザ・カーブになるという懸念も浮上し、ヘッジ需要でビットコインの注目度も高まるか。

米期待インフレ,ビットコインチャート
第3図:米・5年物と10年物期待インフレ率、BTC対円チャート 日次 出所:FRED、bitbank.ccより作成
ビットコイン,先物資金調達率,ハッシュレート,ディフィカルティチャート
第4図:BTC対円、先物資金調達率、ハッシュレートとディフィカルティチャート 日次 出所:bitbank.cc、Glassnodeより作成
ビットコインテクニカル分析
第5図:BTC対円チャート 日足 出所:bitbank.cc、Glassnodeより作成
アルトコイン概況
第2表:アルトコイン概況 出所:bitbank.ccより作成

PDFリンク
bitbank Report 2022/04/11:期待インフレ底打ちの兆し 1月のパターン再来なるか?

著者
長谷川友哉
マーケット・アナリスト

英大学院修了後、金融機関出身者からなるベンチャーでFinTech業界と仮想通貨市場のアナリストとして従事。2019年よりビットバンク株式会社にてマーケットアナリスト。国内主要金融メディアへのコメント提供、海外メディアへの寄稿実績多数。

英大学院修了後、金融機関出身者からなるベンチャーでFinTech業界と仮想通貨市場のアナリストとして従事。2019年よりビットバンク株式会社にてマーケットアナリスト。国内主要金融メディアへのコメント提供、海外メディアへの寄稿実績多数。
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