大きくギャップダウンしたBTC先物 暴落は波乱の先行指標か?

先週(11月29日〜12月5日)のビットコイン(BTC)対円相場の週足終値は、前週比919,657円(14.11%)安の5,600,000円と大幅安となり、およそ2ヶ月ぶりの安値となった。
先週のBTC相場は、新型コロナウイルスのオミクロン変異株に関するヘッドラインや、パウエルFRB議長の早期政策正常化示唆に振り回されながらも、高インフレ持続の見通しや節目56,000ドル(≒638万円)での買い支えにより、650万円周辺で上値が重くも底堅い展開となった。しかし、3日の米雇用統計で失業率が4.2%と前回の4.6%から大幅に改善したことを受け、セントルイス地区連銀のブラード総裁が政策引き締めを支持すると、相場は保ち合いを下方にブレイク。週末4日に前週の安値を割り込むと更に売りが加速し、1,350億円相当のロングの投げを伴い相場は42,000ドル(≒475万円)付近まで暴落した。
その後は、お馴染みのエルサルバドル大統領のBTC押し目買いもあり50,000ドル(≒565万円)近辺まで反発するも、足元ではアジア株の軟化に連れ安となり、鈍い戻りとなっている。

CMEのビットコイン先物は、週末の相場暴落により大きくギャップダウンして取引を開始しているが、週末のBTC相場の暴落は市場の金融政策正常化前倒し懸念を反映していると指摘され、広範な市場でのリスクオフの先行指標になっている可能性がある。通常であれば、週明けのBTC相場はCMEの窓埋めを目指す値動きとなりやすいが、リスクオフが波及していけばボラティリティの高い暗号資産(仮想通貨)の上値も抑えられやすい。仮に窓埋めに成功したとしても、それ自体が戻り売りのトリガーになり得るだろう。
ただ、週末のBTC相場には久しぶりに出来高の増加が伴っており、テクニカル的には40,000ドル台前半での底入れも指摘される。加えて、頭打ちとなっていたビットコインのハッシュレートは今月に入り復調しており、相場の暴落を受けても需給のバランスは崩れてない模様で、安値拾いも入りやすいかと指摘される。
以上に鑑みて、今週のBTCはリスクオフと安値拾いの思惑が錯綜し、不安定な推移が想定される。上値目途としては、CMEビットコイン先物中心限月12月物の3日安値(≒52,000ドル)と終値(≒54,000)周辺にあたる587.6万円〜610.2万円がある。下値目途としては、4日安値から反発後にサポートとなった46,000ドル(≒520万円)を見据えるが、同水準を割り込めば42,000ドル付近まで再び下げ足を速める可能性もあるため注意したい。





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bitbank Report 2021/12/06:大きくギャップダウンしたBTC先物 暴落は波乱の先行指標か?
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