方向感に欠けるBTC 雇用統計には要注意

長谷川友哉
2021-12-03
(
Fri
)

2日のビットコイン(BTC)対円相場は73,445円(1.13%)安の6,401,471円。1日米時間には、短期レンジ上限の670万円上抜けを試したBTCだったが、米国で初のオミクロン変異株感染ケースが確認されたことでリスクオフが波及し、2日東京時間には日経平均の下落も重石となり、レンジ下限となる634万円割れを伺った。対ドルで節目の56,000ドル周辺となる同水準では押し目買いが入り反発するも、前日終値や15分足の200本移動平均線が走る640万円台後半のエリアが上値抵抗となり、この日の相場は概ね634万円〜649万円の狭いレンジでの推移に終始した。

ビットコインチャート
第1図:BTC対円チャート 1分足 出所:bitbank.ccより作成

昨日は米国の主要3指数と長期金利の反発が確認され、市場がオミクロン・ショックを消化しだしたことが示唆された。その一方で、イールドカーブのフラット下には歯止めがなかなか掛からず、米金融政策の先行き不透明感が根強いことも示されている。

こうしたなかで本日は米雇用統計の発表を控えているが、上・下振れどちらのパターンでもBTCの反応は読みづらい。そもそも、オミクロン変異株の検出でリスクオフとなった市場だが、今週のADP雇用レポートと新規失業保険申請件数が市場予想より堅調だったことがリスク資産にマネーが回帰する切っ掛けになった。しかし、雇用統計はFRBの政策判断を左右し得るだけに、11月雇用者数と賃金が予想以上に増加した場合、政策正常化前倒しを正当化させる。

FedWatchによると来年上半期中の利上げを織り込む動きは見られるが、依然として来年4月までは大多数が現行レート維持を予想しており、市場が政策前倒しを織り込むにはもう少し時間が必要かと指摘され、雇用統計の上振れが単純に市場のリスク選好度回復に繋がるかには疑問が残る。

足元では、米10年物期待インフレ率(BEI)が下げ止まり反発しているが、BTCのレンジ上抜けの切っ掛けとして期待していたイーサ(ETH)の史上最高値更新もお預け状態となっており、レンジブレイクまで過度なリスクは取らず、様子見が無難か。

ビットコインテクニカル分析
第2図:BTC対円チャート 日足 出所:bitbank.ccより作成
アルトコインチャート
第3図:XRPETHLTCBCCMONAXLMQTUMBATOMGXYM対円、対BTCチャート 1分足 出所:bitbank.ccより作成
ビットバンク仮想通貨市場概況1
第1表:BTCXRPETHLTCBCCMONAXLMQTUMBATOMGXYM対円、対BTC平均値、四本値 出所:bitbank.ccより作成
ビットバンク仮想通貨市場概況2
第2表:BTCXRPETHLTCBCCMONAXLMQTUMBATOMGXYM対円、対BTC騰落率、出来高 出所:bitbank.ccより作成
仮想通貨ドミナンス,時価総額,出来高
第3表:市場時価総額・出来高(¥)、主要銘柄市場占有 当日9時時点のデータ ※前営業日比 出所:CoinGecko.comより作成

PDFリンク
bitbank Report 2021/12/03:方向感に欠けるBTC 雇用統計には要注意

著者
長谷川友哉
マーケット・アナリスト

英大学院修了後、金融機関出身者からなるベンチャーでFinTech業界と仮想通貨市場のアナリストとして従事。2019年よりビットバンク株式会社にてマーケットアナリスト。国内主要金融メディアへのコメント提供、海外メディアへの寄稿実績多数。

英大学院修了後、金融機関出身者からなるベンチャーでFinTech業界と仮想通貨市場のアナリストとして従事。2019年よりビットバンク株式会社にてマーケットアナリスト。国内主要金融メディアへのコメント提供、海外メディアへの寄稿実績多数。
MARKETSとビットバンクについて

bitbank MARKETSは国内暗号資産(仮想通貨)取引所のビットバンクが運営するマーケット情報サイトです。ビットバンクは日本の関東財務局登録済の暗号資産(仮想通貨)取引所です(暗号資産交換業者登録番号 第00004号)。

販売所について

ビットバンクの販売所なら、業界最狭クラスのスプレッドでお好みの暗号資産(仮想通貨)をワンタップで購入できます。

取引所について

ビットバンクならシンプルで軽量、しかも高い機能性を備えたスマートな暗号資産(仮想通貨)取引所で本格的トレードも可能です。

豊富な機能を持つ、
安定したビットバンクのアプリ。
外出先でも取引のチャンスを逃しません。
ビットバンクで暗号資産をはじめよう!
無料口座開設はこちら
新着記事
VIEW ALL
新着記事
VIEW ALL
市況・相場分析
VIEW ALL
調査レポート
VIEW ALL

ニュース速報

VEIW ALL