BTCは「オミクロン下げ」をほぼ帳消しに チャートは9月の押し目を再現

先週(22日〜28日)のビットコイン(BTC)対円相場の週足終値は、前週比188,458円(2.81%)安の6,519,657円と2週続落するも、安値の605.4万円からは7%超反発しており、長い下ヒゲを付けた。
先週は、週明けから上値の重い展開で680万円から640万円まで下落したBTCだったが、高止まりした米個人消費支出(PCE)を切っ掛けに反発し、週前半の下げをほぼ奪回。しかし、南ア発祥とされる新型コロナウイルスのオミクロン株が、従来の変異種よりも強い感染力を持つと伝わると、広範な金融市場でリスクオフとなりBTCも追随するように610万円まで急落。エルサルバドルが追加で100BTCを購入したことで下げ止まるも、週末は64,000ドル(≒613万円)を巡り揉み合いに終始した。
一方、今朝方には、相場は一時保ち合い下放れを試すも、これは騙しとなり反発。また、CMEのBTC先物取引開始と同時に上値を追う展開となり相場は650万円を回復し、「オミクロン下げ」をほぼ帳消しにした。

発見から1ヶ月程度しか経っていないことから、詳細な情報に乏しいオミクロン株だが、感染力が強い一方で既存ワクチンで重症化を予防できるとの指摘もある。ただ、その重症化率もはっきりとしていないことから、世界保健機関(WHO)も拡大防止の徹底を呼びかけており、各国がアフリカ南部からの入国制限を強化し始めている。26日のリスクオフはやや過剰だったとも思えるが、オミクロン株の感染は既に欧州でも確認されており、重症化率と既存ワクチンの有効性次第でこの先も市場が振り回されそうだ。
新異変種の感染拡大による景気減速も懸念され、米利上げ観測の後退も指摘されるなか、米時間29日と30日に立続けにパウエルFRB議長が公の場で発言する。特に30日は、「CARES act」で定められた定期的な上院での証言となっており、オミクロン株が金融政策に与える影響についての質疑がされる可能性は高いだろう。オミクロン株に関する明確な情報が乏しい現状では、具体的な政策方針の転換はないと指摘され、市場で失望感を生む可能性もあるが、政策正常化を遅らせる余地をその場で示すか否かに注目だ。
この他、今週は米雇用統計の発表を12月3日に控えており、先週末に急激に萎縮したリスク選好度の回復の切っ掛けとなるか注目したい。
チャート上では、BTCは12時間足の200本移動平均線(MA)で綺麗に反発しており、奇しくも9月の押し目と同水準で相場が支えられている。9月の相場は12時間足200MAまで下に往って来いを演じた後、踊り場を形成して続伸となっており、足元の展開はテクニカル的に調整一巡を想起させる。日足のボリンジャーバンドも拡大から縮小に転じ、相場の下降トレンドが終了したことが示唆されている。
以上のように、テクニカル的には押し目を付けた格好だが、兎に角オミクロン株がこれ以上の脅威とならないことがBTC相場復調の一つの大きな鍵となろう。





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bitbank Report 2021/11/29:BTCは「オミクロン下げ」をほぼ帳消しに チャートは9月の押し目を再現
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