高インフレで切り返したBTC 目先には新たなリスクも

26日のビットコイン(BTC)対円相場は173,756円(2.63%)高の6,786,001円と反発し、週足ではプラス圏に浮上した。
24日朝方に起きたCoinbaseのアクセス障害を受けて上値を重くしたBTC相場だったが、この日発表された米個人消費支出(PCE)が市場予想をわずかに下回るも前年同月比で5%と高止まりし、56,000ドル水準(≒646万円)で反発。その後は、モルガン・スタンレーがグレイスケールのビットコイン投資信託(GBTC)のエクスポージャーを増加させたことが米証券取引委員会(SEC)に提出された書類で明らかになったことも相場の味方となり、BTCは660万円を回復した。
25日の相場は日経平均の上昇に連動して東京時間序盤から上値を試したが、58,000ドル(≒669万円)絡みで上値を抑えられ反落。しかし、アルトコインが底堅く推移したことで相場は前日終値周辺で反発し、Arrow Glacierハードフォークが来月9日に迫るイーサリアムのイーサ(ETH)が4,400ドル(≒50.7万円)の上抜けに成功すると、BTCも58,000ドル乗せに成功。一方、米時間では、米市場が休場だったこともあり、相場は一時59,000ドル台(≒680万円)に乗せるも上値は限定的だった。

24日公開の米連邦公開市場委員会(FOMC)11月会合の議事要旨では、インフレのペースによっては資産購入縮小ペースの加速も議論されていたが、BTCはPCEの高止まりに素直に上昇で反応した。幸い、10月のPCEは総合・コア指数共にほぼ市場予想と合致したことで、月初の消費者物価指数(CPI)のような市場にとってネガティブなサプライズはなかった。
インフレ加速と金融政策早期正常化懸念の狭間でBTC相場のアク抜けにはもう少し時間を要するかと指摘したが、24日米時間からは不安定な値動きから一転して想定外に底堅い推移となっており、週明けのパウエルFRB議長再任を受けて政策の早期正常化はある程度織り込まれた印象もある。
アルトコインも循環物色の様相で概ね底堅い推移が続いている他、BTCはボリンジャーバンドの-1σを回復し、強い下降トレンドシグナルとなる下降バンドウォークが解消されている。
ただ、現在南アフリカの一部地域で蔓延している新型コロナの変異種が、高い感染力や免疫を回避する性質があると伝わったこともあってか、今朝方から米株価指数先物やドル円相場は急落を演じており、BTC相場にもリスクオフが波及する可能性がある。折角アク抜けを印象付ける反発を見せたBTC相場だが、目先の見通しは依然良好とは言い切れないだろう。





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