ハッシュレートやっと底打ちの兆し? エネルギー溜めるビットコイン相場

先週(14日〜20日)のビットコイン(BTC)対円相場の週足終値は、前週比359,360円(8.40%)安の3,919,772円と反落し、前週の上げ幅を掻き消した。
先週のビットコインは、著名ファンドマネージャーのポール・チューダー・ジョーンズ氏がビットコインに好意的な発言をしたことで、週明けに430万円から450万円台に乗せるも、週央からは200日移動平均線絡みで戻り売りが入り失速。17日未明の米連邦公開市場委員会(FOMC)のタカ派的なサプライズは概ね織り込み済みで無難に通過したが、ハッシュレートの低下や米株のリスクオフに圧迫され、週後半にかけて軟調な展開を繰り広げた。さらに、週末に入るとハッシュレートが一段と低下。中国メディアのGlobal Timesによれば、週末時点で中国国内の90%のマイナーが停止を余儀なくされたとのことで、ビットコインは一時370万円周辺まで安値を広げた。足元では、ブロック生成時間が平常に戻りつつあり、390万円台に戻している。

今年4月には200 Ehash/S近くあったビットコインのハッシュレートは、19日時点で100 Ehash/S周辺まで低下した(第2図)。これまでに内モンゴル自治区、新疆ウイグル自治区、青海省、雲南省、四川省といった中国の主要マイニングハブが全て暗号資産(仮想通貨)マイニングに対する停止措置をとった訳で、昨年末時点で中国が世界のハッシュレートシェアの約65%を占めていたことに鑑みれば、最高値から50%近くハッシュレートも低下したため、底入れが視野に入ってきたかと指摘される。
ディフィカルティと呼ばれるマイニングの難易度は約2週間に一度しか調整が入らないため、現状では相対的にディフィカルティが上がっている状態だが、現状のペースでブロックが生成されれば9日後には大幅なディフィカルティの下方調整が入る見通しとなっており、ハッシュレートの安定推移への回帰が期待される(ハッシュレートの安定、回復は相場底入れを示唆)。

ビットコインは先週、心理的節目の40,000ドル(≒440万円)の維持に失敗し、15日〜19日まで5日続落と弱々しい値動きとなったが、短中期的には横ばいの推移となっている(第3図、短中期移動平均線が収斂、一目均衡表の基準線が水平に推移、ボリンジャーバンドがスクイーズ)。こうした中でボリンジャーバンドはトレンド開始を示唆するスクイーズが直近2週間ほど続いており、ブレイクアウトに向けてエネルギーが溜まってきている。
今年は月末にあるCMEのビットコイン先物限月取引最終日に向けて相場が売り込まれることが多々あったため、25日まではダウンサイドリスクに十分注意したい。相場が-2σ(362万円)を割り込めば、テクニカル的なセンチメントは一気に弱気に傾くだろう。





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bitbank Report 2021/06/21:ハッシュレートやっと底打ちの兆し エネルギー溜めるビットコイン相場
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