ビットコイン乱高下 お騒がせイーロンはドージコイン(また)煽る

長谷川友哉
2021-05-14
(
Fri
)

13日のビットコイン(BTC)対円相場は14,658円(0.27%)安の5,443,026円と終値ベースではほぼ変わらず。対ドルでは226.6ドル(0.46%)高となった。

米電気自動車(EV)メーカー大手テスラのビットコイン決済停止を受け、この日のビットコインは早朝から安値を広げる展開。前日終値が付いた直後の午前9:00台には507万円まで売り込まれ、相場はテスラのアナウンスメントによって95万円ほど吐き出した。ただ、相場が対ドルで節目46,000ドルで綺麗に支えられると、自律反発の様相で残りの東京時間では564万円までジリ高となった。しかし、欧州勢参入後には、先月のハッシュレート半減騒動で相場が急落した18日安値の51,300ドル(≒562万円)で戻り売りが入り失速。米市場では、米新規失業保険申請件数がパンデミック下で最低水準となったこともあり主要3指数がこぞって反発するも、バイナンスが米司法省と国内歳入庁からマネロンで調査されているとの報道もあり、ビットコイン相場は上値を重くした。その後は516万円絡みで下げ止まるも、足元、547万円台中盤での推移となっており戻りは鈍い印象だ。

ビットコインチャート
第1図:BTC対円チャート 1分足 出所:bitbank.ccより作成

アルトコインシーズンの真っ只中と言うこともあり、暗号資産(仮想通貨)市場全体を見渡せば昨日は高安まちまちとなっており、総悲観にはなっていない。電力消費による環境負荷を考慮したテスラのビットコイン決済停止だったが、最高経営責任者(CEO)のイーロン・マスク氏は今朝方、「ドージコインの開発者と取引システム効率改善に勤めている」と、何故かビットコイン同様にエネルギー消費型のマイニング手法であるPoWを採用するドージコインに関して再びツイート。ドージコイン相場はこれに煽られる格好で急伸し、昨日はドルテザー建てで24.90%高を記録している。

直近ではEarth Dayがあったことで環境保全に関心が向かいがちだが、ビットコインの環境へのインパクトに関する議論は今に始まった話ではなく、環境への影響を過小評価する訳ではないが相場動向の面で言えば市場は忘れっぽいところがある。

現状でより差し迫っている懸念としては、予想を遥かに上回った米消費者物価指数(CPI、市場予想3.6%→結果:4.2%)に対する米連邦準備制度理事会(FRB)の反応と、市場がそれをどう受け止めるかだ。クラリダ副議長、ウォーラー理事、リッチモンド地区連銀バーキン総裁らが既に「今年のインフレは一時的」と言う姿勢を改めて示し、ビットコインもこうした発言もあって大幅な続落は回避できたかと指摘されるが、これだけCPIが上昇すれば、FRBがインフレ高進抑制に失敗する懸念や経済回復ペースに見合わない物価の上昇(スタグフレーション)懸念が燻りだして、FRBの姿勢に懐疑的になる市場参加者が増えておかしくない。

また、ベース効果、供給ボトルネック、労働市場の供給サイドが改善すれば、確かにインフレの高進は抑えられると思えるのだが、昨年5月のCPIは2020年で一番低い水準となっているため、来月発表のCPIはベース効果がより顕著に出る可能性もあり(第2図)、CPIサプライズが来月も繰り返され市場の懸念を増大させる可能性は頭の片隅においておきたい。

米インフレ指標
第2図:米消費者物価指数、個人消費支出(前年同月比) 出所:fred.stlouisfed.govより作成

株価が落ち着いたことや、ビットコインの採掘難易度大幅上方調整により需要の回復が示されたことで、ビットコインは戻りを試す展開をメインシナリオとして想定するが、上述のような懸念もあることに鑑みれば、テクニカルやチャート上の節目では強い戻り売りも予想される。

上値目途としては、まずは-1σ(≒567万円)、一目均衡表雲下限(582.7万円)、それから移動平均線が修練する600万円周辺のエリアがある。ただ、何かしら悪材料が出て続落した場合、テクニカル的には下降バンドウォークを開始する可能性があり、失望感で狼狽売りを誘う可能性もあるため、予想以上の下げ幅を伴って急落するシナリオも視野に入り、無謀な突っ込みは避けたいところだ。

ビットコインテクニカル分析
第3図:BTC対円チャート 日足 出所:bitbank.ccより作成
アルトコインチャート
第4図:XRPETHLTCBCCMONAXLMQTUM対円、対BTCチャート 1分足 出所:bitbank.ccより作成
ビットバンク仮想通貨市場1
第1表:BTCXRPETHLTCBCCMONAXLMQTUM対円、対BTC平均値、四本値 出所:bitbank.ccより作成
ビットバンク仮想通貨市場2
第2表:BTCXRPETHLTCBCCMONAXLMQTUM対円、対BTC騰落率、出来高 出所:bitbank.ccより作成
仮想通貨ドミナンス、時価総額、出来高
第3表:市場時価総額・出来高(¥)、主要銘柄市場占有 当日9時時点のデータ ※前営業日比 出所:CoinGecko.comより作成

PDFリンク
bitbank Report 2021/05/14:ビットコイン乱高下 お騒がせイーロンはドージコイン(また)煽る

著者
長谷川友哉
マーケット・アナリスト

英大学院修了後、金融機関出身者からなるベンチャーでFinTech業界と仮想通貨市場のアナリストとして従事。2019年よりビットバンク株式会社にてマーケットアナリスト。国内主要金融メディアへのコメント提供、海外メディアへの寄稿実績多数。

英大学院修了後、金融機関出身者からなるベンチャーでFinTech業界と仮想通貨市場のアナリストとして従事。2019年よりビットバンク株式会社にてマーケットアナリスト。国内主要金融メディアへのコメント提供、海外メディアへの寄稿実績多数。
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