BTC悲観一色もETHは逆行高 米株との相関が崩れた背景とハッシュレート回復は何を示唆するか

長谷川友哉
2021-04-26
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Mon
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先週のビットコイン(BTC)対円相場の週足終値は、前週比866,352円(14.03%)安の5,306,648円と大幅安となり、およそ7週ぶりの安値まで下落した。XRP、ライトコイン、ビットコインキャッシュといった主要アルトコイン相場も強く押し、週足ではそれぞれ27.65%、19.19%、23.36%と下落。一方、アプリケーションのプラットフォームとなるイーサリアム(ETH)の対円は、5,309円(2.16%)と週次で上昇した。

16日の中華系マイナーのハッシュレート急減を皮切りに、ビットコインは700万円から急落を開始し、週末18日の米財務省による規制強化の噂が大量のポジション精算を巻き起こし、先週のビットコイン相場は600万円周辺からのスタートとなった。週明けこそは反動高の様相で600万円台を維持したビットコイン だったが、先週はトルコの暗号資産(仮想通貨)取引禁止や、これを受けて現地取引所ThodexのCEOが顧客資産を持ち逃げした疑いが浮上。さらに、22日のバイデン米大統領の富裕層に対するキャピタルゲイン税引き上げ予定が相場の重石となり、週後半にかけての相場は、一時、510万円まで安値を広げた。

週末の相場も、目立った材料も乏しく、実態ベースではジリ安となり、日足では21日から5日続落と安値を切り下げ続け悲観ムード一色となっている。

ビットコインチャート
第1図:BTC対円チャート 1分足 出所:bitbank.ccより作成

テクニカルでは、ビットコイン対円相場は一目均衡表の三役逆転(転換線が基準線でデッドクロス+遅行スパンが実態割れ+相場の雲割れ)を示現しており、強い売りシグナルが出ている。また、ボリンジャーバンドでは、相場の-2σ割れにバンド幅の拡大が伴っており、相場は強い下降トレンドを示唆する下降バンドウォークを開始しており、テクニカル的なセンチメントは2週間前と比較すると一気に弱気に傾いている(第4図)。

過去30日間では、ビットコインの米主要3指数との相関も崩れており、仮想通貨市場外の要因よりもテクニカル的な要因で売りが出ていることが指摘される(第2図)。

一方、16日の相場急落の切っ掛けとされるハッシュレートの50%近い急落だが、5月6日に予定される採掘難易度の大幅下方調整を前にほぼ元の水準まで戻しており、マイナーからの売り懸念は後退しそうだ(第3図)。2018年11月の相場急落に伴ったハッシュレート急落の後でも、ハッシュレートが相場に先行する形で回復しており、今回も受給安定による安心感が広がると見込まれる。

全体的に悲観ムードが漂う形となっているが、アルトシーズンを主導し得るETHの対円は安値を切り下げることなく、対BTCでは上昇トレンドを維持しており、今週は、①ハッシュレート復調による需給悪化懸念の後退、②ETH主導のアルトコイン反発が見込まれ、ビットコインは今度こそ下げ止まりを予想する。

ビットコインと米主要3指数の相関係数
第2図:ビットコインと米主要3指数の過去30日間の相関係数(左:S&P、中央:ダウ、右:ナスダック) 出所:bitbank.cc、finance.yahoo.comより作成
ビットコインハッシュレート
第3図:ビットコインハッシュレート 出所:glassnodeより作成

ただ、今週はテスラ(26日)、マイクロソフト、アルファベット(27日)、アップル、フェイスブック(28日)、アマゾン、ツイッター(29日)と主要テック企業の決算発表が相次いで予定されており、S&P500種やナスダック総合指数のボラティリティには注意を要そう。上述の通り、足元では米主要3指数とビットコインとの相関が崩れているが、テクニカル的には依然として売りが出やすいため、株式市場でのリスクオフには反応しやすいと予想される。

この他、今週は27日〜28日の日程で米連邦公開市場委員会(FOMC)の会合が予定されており、29日午前3時には会合後の記者会見があり、テーパリング(量的緩和の段階的縮小)の条件について具体的なヒントが出るかが大きな注目点となる。

今月の注目ポイント

ビットコインテクニカル分析
第4図:BTC対円チャート 日足 出所:bitbank.ccより作成
アルトコインチャート
第5図:XRPETHLTCBCCMONAXLMQTUM対円、対BTCチャート 1分足 出所:bitbank.ccより作成
ビットバンク仮想通貨市場1
第1表:BTCXRPETHLTCBCCMONAXLMQTUM対円、対BTC平均値、四本値 出所:bitbank.ccより作成
ビットバンク仮想通貨市場2
第2表:BTCXRPETHLTCBCCMONAXLMQTUM対円、対BTC騰落率、出来高 出所:bitbank.ccより作成
仮想通貨ドミナンス、時価総額、出来高
第3表:市場時価総額・出来高(¥)、主要銘柄市場占有 当日9時時点のデータ ※前営業日比 出所:CoinGecko.comより作成

PDFリンク
bitbank Report 2021/0426/:BTC悲観一色もETHは逆行高 米株との相関が崩れた背景とハッシュレート回復は何を示唆するか

著者
長谷川友哉
マーケット・アナリスト

英大学院修了後、金融機関出身者からなるベンチャーでFinTech業界と仮想通貨市場のアナリストとして従事。2019年よりビットバンク株式会社にてマーケットアナリスト。国内主要金融メディアへのコメント提供、海外メディアへの寄稿実績多数。

英大学院修了後、金融機関出身者からなるベンチャーでFinTech業界と仮想通貨市場のアナリストとして従事。2019年よりビットバンク株式会社にてマーケットアナリスト。国内主要金融メディアへのコメント提供、海外メディアへの寄稿実績多数。
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