アルトコイン急反落でBTC道連れ 3万ドル割れ必至か?

21日のビットコイン(BTC)対円相場は487,754円(13,23%)安の3,199,822円と大幅安。今月8日に435万円に乗せて以来、2週間弱で123万円ほど吐き出した。昨日はアルトコインも概ね急落し、暗号資産(仮想通貨)市場は全面安の様相を呈した。
この日のBTC相場は概ね売り一色。このところドル安株高とBTCにとっては好環境が続いたが、昨日は19日に対ドルで史上最高値を更新したイーサリアム(ETH)が目標達成感から売りが殺到し、BTCや他のアルトコインも道連れとなった格好。また、これまで相場のサポートとなっていた34,000ドル(≒352万円)や、三角持ち合いの下辺を割り込むと売りが一層に膨らみ、今朝方には30,000ドル(≒312万円)まで安値を広げた。

チャート上では、相場は三角持ち合いを下方にブレイクし、下降トレンド開始が示唆されている。三角持ち合いでは、ベース(三角形が形成され始めた時点の辺)の長さがブレイク後のプライスターゲットとされ、厳密にパターンフォーメーションから考えると、今回の場合は350万円周辺から135万円ほど下げた215万円(≒20,700ドル)がターゲットとなる(第2図)。実現すれば、今月高値から約50%と大幅な下落となるが、仮想通貨市場ではこれほどのスピード調整も視野に入れておくべきか。

来週は今年初めの米連邦公開市場委員会(FOMC)が予定されているが、これが相場が切り返す切っ掛けとなる望みもやや薄れたか。今回の会合からは、タカ派で知られるメスター・クリーブランド連銀総裁とハーカー・フィラデルフィア連銀総裁の議決権がなくなることで、今年はハト派な政策運営継続が期待できるわけだが、先週時点でパウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長やブレイナードFRB理事が当面の政策見通しについて言及しており、サプライズにはあまり期待できないか。万が一サプライズがあるとすれば、10ヶ月ぶりの高水準で推移する米10年債利回り(1.114%)をけん制するか否かだが、1.5%までFRBは許容すると見られており、こちらも望み薄と指摘される。
いずれにせよ、「保ち合い放れにはつけ」が相場の鉄則であり、目先は上値の重い展開が予想される。特に、足元の下げはアルト主導と考えられるため、アルト売りが一巡するまでは相場の下降トレンドは続きそうだ。ただ、長期的なテクニカルとファンダメンタルズに変わりはないと言え、足元のトレンドは1〜2週間程度のスピード調整に終わると見ている。




