BTCは今年2番目の下げ幅 終わりの始まりはまだ来てない?

26日のビットコイン(BTC)対円相場は158,517円(8.14%)安の大幅安となり、終値は1,789,039円と今月17日以来の水準まで一気に沈んだ。
前日NY時間の相場は2018年1月8日ぶりに200万円にタッチしたが、その後は利益確定が入り失速し始めると、昨日未明から海外主要取引所へのBTC送金が急増したことが大口の利食いを想起させたことに加え、米コインベース最高経営責任者(CEO)のブライアン・アームストロング氏がツイッターで、ムニューシン米財務長官が個人が管理する暗号資産(仮想通貨)ウォレットの個人情報を交換業者に特定させる規制を検討している可能性を指摘したことが弱材料となり、昨日の相場は東京時間から安値を広げる展開。相場は10月から調整という調整を経ずに上昇し続け、対ドルで過去最高値目前だったということでロングポジションが相応に溜まっており、こうしたポジションの巻き戻しが相場急落に拍車を掛け、BTCは一時247,556円(12.71%)値下がりした。
BTC以外のアルトコインも連れ安となり、XRP、イーサリアム(ETH)、ライトコイン(LTC)、ビットコインキャッシュ(BCH・BCC)はそれぞれ一時、15.25%、15.09%、21.36%、12.54%急落した。
一方、昨日は米国が感謝祭で祝日だったこともあってか、普段は相場に流れの出やすいNY市場時間は下げ足を緩め、170万円で相場は下げ止まり、足元やや反発している。対ドルでの終値は、2018年1月高値(17,174ドル)を僅かに下回る17,170ドルとなった。

直近の仮想通貨市場は、株や外為市場動向をほぼ無視する形で、急速な買いの順回転がアルトコイン相場にも高揚感を齎していたが、昨日はその反動が市場全体に波及した格好だ。昨日のBTC相場は、3月のコロナショック以来、今年2番目に大きな下げ幅を記録したが、9月終値から75%も上昇していれば調整が入るのも当然に思える。直近2ヶ月で蓄積された巻き戻しの力が一気に解放され、下げ幅こそ大きかったものの、むしろこれにより市場も冷静さを取り戻すと見ている。
上述の米仮想通貨ウォレット規制も懸念材料ではあるものの、依然として裏付けは取れていないことに加え、規制関連の材料に対する市場の反応は殆どの場合一時的な売りに終わることが多く、市場は案外忘れっぽい傾向もある。また、市場が冷静さを取り戻すことで、この先は再びファンダメンタルズも意識されやすくなると考えられ、米連邦準備理事会(FRB)が12月の連邦公開市場委員会(FOMC)会合で量的緩和拡充の検討に入る可能性が浮上していることから、BTCを安値で拾う動きが入ることも期待される。
これまで、BTC相場の上昇継続のサインとしてボリンジャーバンドの上昇バンドウォークを挙げてきたが、昨日の急落で相場は1σを終値で割り込み、バンド幅もスクイーズ(収縮)し始め、上昇バンドウォークが終焉を迎え、テクニカル的にも相場が調整に入ったことを示唆している(第2図)。一方、通常、相場がバンドウォークを終えると下値のターゲットはセンターラインとなるとなるのだが、昨日は同水準を一時下回るも終値では回復しており、値幅の調整は早くも完了していると指摘される。
以上に鑑みて、この先のBTC相場は、ボリンジャーのセンターラインをサポートに底堅い展開を予想する。上値目途としては、13日移動平均線(≒185万円)、ボリンジャー1σ(≒190万円)、今月高値(200万円)の密集する185万円〜200万円エリアとなるだろう。






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bitbank Report 2020/11/26:BTCは今年2番目の下げ幅 終わりの始まりはまだ来てない?
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