踊り場を形成するBTC ビットコインキャッシュのアップグレード迫る

10日のビットコイン(BTC)対円相場は751円(0.05%)安の1,610,003円とほぼ横ばい。ファイザーのコロナワクチン朗報で荒い値動きとなった前日から一変して、昨日の相場は160万円周辺の踊り場で揉み合う展開に終始した(第2図)。
コロナワクチンの報道を受けた前日にBTC相場は、初動で米指数先物の上昇に追随し165万円を目指すも、金相場の急落とドル高に耐えきれず反落。一方、この日は安全資産とされる円が対ドルで安値を広げたことで、対ドル市場が価格形成を主導するBTCは、対円では下げ幅限定的となり、ドル買いの流れが一服すると157万円で切り返し、終値は前日比0.74%高の1,610,754円とした。
昨日は金相場反発、ドルは子甘く、米株がまちまちとなる中でBTCは様子見。高リスク資産でありながら金相場との相関も持つBTCは、やや困惑模様で方向感を示せずにいる。


コロナワクチンでリスク回避需要が急速に後退するということがわかった訳だが、BTCへの影響はそれほど大きくないだろうと見ている。たとえワクチンが流通したとしても、経済が瞬時にコロナ前に戻るわけでもなく、金融緩和が長期化する見通しは尚続くだろう。
目先では、15日のビットコインキャッシュ(BCC)のハードフォークによるアップグレード及びチェーン分岐があり、各取引所が取引や入出金を一時停止する措置をとる。こうした中、フォビ・グローバルは、13日までに閉じられていない顧客の信用取引のポジションを強制決済するとも発表しているので、これには少し注意しておきたい。
問題となっているBitcoin ABC(BCHA)とBitcoin Cash Node(BCHN)の対立だが、海外主要取引所ではBCHNをビットコインキャッシュとして認識する対応が散見され、2018年11月の「ハッシュ闘争」と比べれば今回はハードフォーク後の混乱は最小限に抑えられるか。
昨日のアルトコインは高安まちまちだったが、BCCは比較的強く売られ、分岐による新規コイン付与への期待感もそれほど強くないようだ。






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bitbank Report 2020/11/11:踊り場を形成するBTC ビットコインキャッシュのアップグレード迫る