仮想通貨は全面安 コイン分裂の危機、その影響やいかに

3日のビットコイン(BTC)対円相場は133,807円(11.01%)安の1,081,054円。イーサリアム(ETH)の反動安と、前日にロジャー・ヴァー氏が、「11月15日のハードフォークでBitcoin ABCと(開発者の)アモリー・サシェット氏がビットコインキャッシュ(BCC)から分裂すると発表した」とツイートしたこともアルト売りを加速させ、BTCも下値模索となった。NY時間のドルの下落もBTC相場の支えとはならず、為替動向をほぼ無視して相場は安値を広げていった。
BTC相場は下降チャネルを形成し始めたと思いきや、チャネル下限どころか、昨年から相場のレジスタンとなってきた112万円〜115万円エリアもサポートとして機能せず(第2図)、終値は110万円をも割り込んだ。アルトコイン主導の市場の下げということもあり、ETH(- 13.28%)、BCC(- 14.27%)、LTC(- 17.39%)相場が強く押し、市場の時価総額は1日で4兆円ほど一気に吐き出した。


仮想通貨市場にとってBCCの分裂は、「苦い思い出」だ。18年9月から11月までの市場の膠着状態を打ち砕き、BTC相場を70万円台から一月で35万円台まで送り込む切っ掛けとなったのは、BCCとビットコインSV(BSV)の分裂騒動に端を発した市場の混乱だった。それだけに、今回の分裂リスクも市場心理を一気に冷え込ませるには十分な材料だったと言えよう。BCCマイナーの報酬の一部を開発資金に分配する改善策「コインベースルール」を巡り、コミュニティー内での対立は以前からあったものの、ヴァー氏が分裂を明言したことで「苦い思い出」の再来が想起されたか。
対ドルで12,000ドル台乗せはお預けとなった格好だが、昨日はなんとか心理的節目の10,000ドルは死守した。市場の雰囲気がガラッと変わったが、BCCの分裂リスクが一旦織り込まれれば、市場の目線はこの先、今月のFOMC(15日〜16日予定)に移ると指摘される。昨日はチャールズ・エヴァンス・シカゴ連銀総裁が、更なる財政支援を要求すると共に、金融政策の更なる緩和を示唆しており、ドルが流入しやすい環境の強化に一定の期待は持てよう。
どこまで相場の下値余地があるかが注目だが、心理的節目の10,000ドルや週足13週線の走る足元の水準を割るには、もう少し切っ掛けが必要にも思える。いずれにせよ、相場がメジャーな下降トレンドに突入したと判断するにも時期尚早と言えよう。






第3表:市場時価総額・出来高(¥)、主要銘柄市場占有 当日9時時点のデータ ※前営業日比 出所:CoinGecko.comより作成
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