夏なのにビットコインは「冬模様」 アルトコイン高付いていけない背景

7月第2週(6日〜12日)のビットコイン(BTC)対円相場は前週比15,912円高(+ 1.62%)の995,405円と5週ぶりに反発したが、週間の値幅は2週連続で4万円を下回り引き続き動意にかける展開が続いている。中国での実用化が進んだチェーンリンクのLINKや、人気SNSのTikTokの動画で注目を集めたドージコイン(DOGE)がアルトコイン市場に買い手を呼び戻したが、BTCは今ひとつ流れについていけず、先週の暗号資産(仮想通貨)市場はアルトコインシーズン開始の様相を呈した。これにより、BTCの市場占有率は61.35%と2月中旬以来の水準まで低下(第8表)。30日物ヒストリカルボラティリティー(HV)は「クリプトの冬」と称された2019年第一四半期の水準まで落ち込み、手控えムード打開とはなっていない(第1図)。
アルトコイン市場が息を吹き返す中でBTCの上値が抑えられえている要因としては、米株との連動性が強まっていることが挙げられる。この連動性の背景は明確ではないが、半減期後の材料難の他、米ドルと株価の連動が弱まっていることに鑑みるに、リスクオフで安全資産としてのドル買いという構図ができており、対ドル市場が相場を主導するBTCもこの流れに影響されているか。肝心の株価の先行きだが、足元、新型コロナの治療薬を巡るポジティブ材料で強含んでいるが、今週からの第二四半期分の米決算シーズンで、企業の業績に関してどれだけ不安材料が出てくるかも影響すると考えられ、この先もなかなか気の抜けない展開が続こう。
幸い、アルトコイン物色は週明けも継続しており市場全体としてのセンチメントは好転し始めている。アルトコインの買いが一巡すればBTCにも資金が回り、再び専有率も上昇すると見ているが、先週のように株価下落に出鼻をくじかれないか、引き続き株式市場への目配りが怠れない。












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bitbank Report 2020/07/13:夏なのにビットコインは「冬模様」 アルトコイン高付いていけない背景