HV低下で手控えムード濃厚 BTCは節目の9000ドル死守できるか

先週(6月29日〜7月5日)のビットコイン(BTC)対円相場は4週続落したものの、この週は一貫して動意に欠ける展開が続き終値ベースでは507円安(- 0.05%)の979,493円とほぼ横ばい。手掛かり難が続く中、BTCの短期ヒストリカルボラティリティー(HV)の低下が手控えムードを誘っている。現在の10日物と30日物のHVは、18年11月中旬と19年第一四半期の膠着相場時と同等の水準まで低下しており、いつ相場が保合い放れで大きく動いてもおかしくない状況と言える(第1図)。
18年末の相場急落はビットコインキャッシュの分岐を巡る「ハッシュ闘争」が引き金となり、19年4月からの上昇トレンドは巨額のショートスクイーズを皮切りに始まった。先週は米指標を手掛かりに少しは相場が動くか期待していたが、暗号資産(仮想通貨)特有の材料、あるいは市場のポジションが偏り巻き戻しのエネルギーを溜め込むまで相場の膠着状態は続きそうだ。
テクニカルの側面でも先週から改善は見られない。相場は下向きに推移する短期移動平均線(13日、21日線)の下で推移し、短期的に弱気の値動きが続いている。一目均衡表では、揉み合いとなりやすい雲の中での推移が続いているが、均衡表と遅行スパンが逆転しており2つの早期売りシグナルが維持されている。ボリンジャーバンドは一段とバンド幅が縮小し次のトレンドに向けてエネルギーを溜め込んでいる。先週は-2σに2度タッチしたがセンターラインの上抜けには失敗しており、反発に勢いがない。対ドルで9000ドル水準(≒97万円)がサポートとなっているが、今週もジリ安となれば同水準を割り込む可能性は高く、節目の水準を死守できるか否かが今週の焦点となりそうだ。












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bitbank Report 2020/07/06:HV低下で手控えムード濃厚 BTCは節目の9000ドル死守できるか