相変わらず動意薄のBTC オプションカット後もHV低下

6月第4週のビットコイン(BTC)対円相場の週足終値は、前週比13,895円安(- 1.4%)の980,000円と3週続落。金相場が約8年ぶりの高値に浮上する中、先週のBTC相場は複数マイナーによる7.3億円相当のBTC送金が確認され、上値を重くした。26日には蘭Deribitで過去最大規模のBTCオプションカットを迎えたが、手掛かり難の中、イベント通過後も市場が予想していたようなボラティリティーの上昇は確認されず小甘い展開が続いた。週末には対ドルで節目の9,000ドル(96.5万円)を割る場面もあったが、押し目買いが入り28日には6日ぶりに反発した。
7月1日にはビットコインマイニングのディフィカルティー調整を控えているが、今サイクルではハッシュレートが110 Ehash/s周辺でほぼ横ばいで推移しており、ディフィカルティーの予想調整率は上下どちらも限定的だ。6月はマイナーが利益を確定する動きが複数回確認されたが、ハッシュレートが低下しているわけでもなく、今回のディフィカルティー調整の相場への影響も軽微か。相場がジリ安となる中、今週も引き続き実需筋の利食いに警戒を怠れない状況が続きそうだ。一方、2日(午後9時30分)発表の米雇用統計には注目だ。先週は米国で1日あたりのコロナ感染者数が過去最高を更新し、ロックダウン再開の可能性など市場はこうした重要経済指標に敏感に反応しそうだ。また、前回は非農業部門雇用者数が市場の予想を上回ったことで、逃避資金流入の思惑が後退しBTCは上値を重くしたことから、今回の雇用統計が予想を下回ればBTC相場を押し上げる材料となってもおかしくないと見ている。
相変わらず高値圏での揉み合いが続くBTC相場だが、先週の相場下落を受けテクニカル的な相場環境は短期的に弱含んでいることが鮮明となってきた。相場は短中期の移動平均線を割り込み、短期線(13日、21日線)は下向きに推移し始めた(第1図)。一目均衡表では、均衡表と遅行線が逆転し、早期の売りシグナルが2つ点灯している。しかし、ボリンジャーバンドのバンド幅は縮小傾向が続き、短中期のヒストリカルボラティリティー(HV)も引き続き低迷しており、トレンドのモメンタムは弱い(第2図)。89日線と200日線は上向きに推移していることから、大局的には上昇トレンド継続が示唆されており、足元の下落は一時的な値幅調整か。一目均衡表の雲やボリンジャー-2σがサポートとなり反発できるか、今週は一つの焦点となる。











