迫るディフィカルティー調整 6月のBTC上値目途は?

5月のビットコイン(BTC)対円月足の終値は、9.1万円高(+ 9.89%)の101.8万円と2ヶ月続伸した(第1表)。4年に1度の半減期を控え、相場は7日に107万円の高値をつけたが、過熱感が出て利食い売りに押されると大量のロスカットを誘発し反落し、半減期2日前の10日には90万円を割り込む場面もあった。一方、半減期後の相場は米国での追加財政出動の可能性や、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長がコロナショックの経済への影響が長期化するとの懸念を示したことを手がかりに底堅く推移した。その後も、大口の利食いやハッシュレートの下落が警戒され上値を重くするも、香港を巡る米中関係の悪化を受けた逃避需要が意識され、BTCは100万円周辺で揉み合う展開となった。30日には、ハッシュレートの持ち直しが好感され、相場は7日高値(107万円)と14日高値(106万円)を起点とする下降トレンドラインの上抜けに成功したが、買いは続かず、翌31日には再び同トレンドラインを割り込んだ(第1図)。
5月のBTC相場は、月足では上昇したものの、日足では100万円周辺で揉み合いに終始した格好だ。半減期通過後の相場の上値の重さは、やはりマイニング収益性悪化が招いたハッシュレートの下落が市場で警戒感を誘っているためと見ているが、上述の通り、ハッシュレートは持ち直し初めており、今週5日にはディフィカルティーが下方に調整される見通しとなっており、需給悪化への懸念解消は近いと指摘される。
この他、シカゴマーケンタイル取引所(CME)BTC先物市場におけるファンド勢のネットショート縮小(第2図)、週足が一目均衡表の三役好転を示現、月足が2年5ヶ月ぶりに一目均衡表基準線を上抜けるなど、テクニカル的なBTCの見通しは悪くないだろう。また、市場ではイーサリアム(ETH)2.0(セレニティー)の7月リリースが注目され初めており、BTCと相関性の高いETHに買いが入れば、BTCの連れ高も期待されよう。上値目途としては、2月高値の115万円や、月足で一目均衡表雲下限の120万円が視野に入る。














PDFリンク
bitbank Report 2020/06/01:迫るディフィカルティー調整 6月のBTC上値目途は?
bitbank MARKETSは国内暗号資産(仮想通貨)取引所のビットバンクが運営するマーケット情報サイトです。ビットバンクは日本の関東財務局登録済の暗号資産(仮想通貨)取引所です(暗号資産交換業者登録番号 第00004号)。
ビットバンクの販売所なら、業界最狭クラスのスプレッドでお好みの暗号資産(仮想通貨)をワンタップで購入できます。
ビットバンクならシンプルで軽量、しかも高い機能性を備えたスマートな暗号資産(仮想通貨)取引所で本格的トレードも可能です。