アリババがブロックチェーンに本格取り組み、チャリティー募金に応用


アリババグループのブロックチェーン・プロジェクトが本格始動した。同社の決済サービスAlipayのオペレーションを担当する子会社Ant Financialにおいて実験を開始する見込みだ。ブロックチェーンを用いることで、同社が主催するチャリティー基金「Ant Love」におけるマネーフローの透明性を高めることが狙いだという。
基金ではドナーからの募金を、分散型台帳に記録しオンライン上で共有する。ドナーは自分の募金の取引経路をチェックすることが出来き、何に使われたかを把握することが出来る。このことにより、Ant Finacialはチャリティー事業の新たなムーブメントを巻き起こせると予想している。
Ant Financialは2014年にアリババに2.5兆円で買収されており、近々上場する予定だ。また今年に入ってからは4500億円の資金調達に成功しており、時価総額は約6兆円ほどになると評価されている。大口出資元は政府系投資機関のChina Investment Corpや政府系銀行のChina Construction Bankなどであり、政府色がかなり強いことも伺える。
Ant Financial の CTOリー・チェン氏は以下のようにコメントしている。
「ブロックチェーン技術の分散型台帳は我々のビジネスとの相性がとてもよい。チャリティー事業に重要な透明度を高められる。全ての情報と取引履歴を公共的に共有することで、不正取引がないことを確認することが容易にできる。」
Ant Financialはプライベート・ブロックチェーンの使用を示唆しており、会計監査対応にも有効だとコメントしている。今回のブロックチェーン・プロジェクトが成功すれば、メインの送金取引ビジネスへの対応も期待される。
またアメリカのNGO団体 The BitGive Foundation(BGF)も Ant Financialと同様に、ブロックチェーン技術を応用したチャリティー事業を2015年より展開している。
BGFでは、基金の取引履歴はリアルタイムで更新されドナーは自分の募金の行方を随時チェック出来る仕組みになっている。さらに「いつ、何に、いくら」使われたかも知ることが出来る。またドナー・エクスペリエンスにも注力しており、集められた基金はドナー先の状況を常に追っていて、近況報告などがアップデートされる。その結果、自分の募金がどのようなインパクトがあったのかを知ることが出来るようになった。
従来の募金システムと言えば、その基金の使い道や送金履歴などを把握することは難しかった。しかしこのプロジェクトが成功すれば正確に基金の行方がわかりドネーションもより集めやすくなる。またその募金先の状況を知ることでプロジェクトにとって良い相乗効果が見込まれる。ブロックチェーン技術と慈善事業のコラボレーションは新たなブロックチェーンのユースケースになる可能性が高い。
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