子猫飼育アプリによりイーサリアムのネットワークが大渋滞


イーサリアムのブロックチェーン上で子猫の飼育ができる「Crypto Kitties」が登場し、大きな反響を呼んでいる。Crypto Kittiesでは、ユーザーはオリジナルの子猫を飼育することができ、2匹の子猫を交配させることもできる。その裏側で、イーサリアムのネットワークはCrypto Kittiesユーザーの急増により、ネットワークが大幅に遅延するなどの障害が起きている。
交配により生まれた子猫は、イーサリアムのブロックチェーンに記録される。子猫は飼育して楽しむこともできるが、他のユーザーに売却することもできる。現在、子猫の平均売買価格は約1万円相当のイーサー(ETH)となっている。
ユーザーは自身で子猫を生むか、好みの子猫を他のユーザーから購入することとなる。元々は0.001ETHで新たな子猫の飼育を始めることができたが、現在はネットワークの遅延の影響で0.002ETHが必要だ。
Crypto Kittiesを通じたトランザクションは、イーサリアム全体の約15〜20%ほどを使用しており、ネットワークにとって大きな負荷となっているようだ。Crypto Kittiesのプラットフォーム上におけるユーザーの行動はすべて、イーサリアムのブロックチェーンに記録される。同アプリの影響からか、ブロックチェーンへの承認を待っている取引の数は一週間前と比べ15倍も増加しているようだ。これにより、イーサリアムのネットワークを利用する他のユーザーやプロジェクトに影響がではじめている。

イーサリアムは、さまざまなアプリを動かすことができるネットワークの構築を目指している。その一方で、現在までCrypto Kittiesのように多くの取引を必要とする人気アプリは存在しなかった。このような、ネットワークに大量に負荷がかかるアプリが登場したことで、イーサリアムにもビットコインと同様のスケーラビリティの問題が発生しているようだ。
ユーザーが増えればネットワークへの負荷は必然的に増える。現段階では、イーサリアムのネットワークは、大量の取引データを扱う能力に欠けていることを示した。これは、パブリックのブロックチェーン全てに共通して言えることだが、ブロックチェーンが記録できるデータ量と承認スピードには限界があり、価格の高騰やユーザーの増加によってそれは顕著化してくるようだ。
一方仮想通貨業化全体として、オンチェーンとオフチェーンを含めた両方の方法論で、スケーラビリティに対する技術開発が進んでいる。現在多くの技術者がスケーラビリティの問題に取り組んでおり、今後の技術発展に期待したい。
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