子猫飼育アプリによりイーサリアムのネットワークが大渋滞

真田雅幸
2017-12-05
(
Tue
)

イーサリアムのブロックチェーン上で子猫の飼育ができる「Crypto Kitties」が登場し、大きな反響を呼んでいる。Crypto Kittiesでは、ユーザーはオリジナルの子猫を飼育することができ、2匹の子猫を交配させることもできる。その裏側で、イーサリアムのネットワークはCrypto Kittiesユーザーの急増により、ネットワークが大幅に遅延するなどの障害が起きている。

交配により生まれた子猫は、イーサリアムのブロックチェーンに記録される。子猫は飼育して楽しむこともできるが、他のユーザーに売却することもできる。現在、子猫の平均売買価格は約1万円相当のイーサー(ETH)となっている。

ユーザーは自身で子猫を生むか、好みの子猫を他のユーザーから購入することとなる。元々は0.001ETHで新たな子猫の飼育を始めることができたが、現在はネットワークの遅延の影響で0.002ETHが必要だ。

Crypto Kittiesを通じたトランザクションは、イーサリアム全体の約15〜20%ほどを使用しており、ネットワークにとって大きな負荷となっているようだ。Crypto Kittiesのプラットフォーム上におけるユーザーの行動はすべて、イーサリアムのブロックチェーンに記録される。同アプリの影響からか、ブロックチェーンへの承認を待っている取引の数は一週間前と比べ15倍も増加しているようだ。これにより、イーサリアムのネットワークを利用する他のユーザーやプロジェクトに影響がではじめている。

イーサリアムは、さまざまなアプリを動かすことができるネットワークの構築を目指している。その一方で、現在までCrypto Kittiesのように多くの取引を必要とする人気アプリは存在しなかった。このような、ネットワークに大量に負荷がかかるアプリが登場したことで、イーサリアムにもビットコインと同様のスケーラビリティの問題が発生しているようだ。

ユーザーが増えればネットワークへの負荷は必然的に増える。現段階では、イーサリアムのネットワークは、大量の取引データを扱う能力に欠けていることを示した。これは、パブリックのブロックチェーン全てに共通して言えることだが、ブロックチェーンが記録できるデータ量と承認スピードには限界があり、価格の高騰やユーザーの増加によってそれは顕著化してくるようだ。

一方仮想通貨業化全体として、オンチェーンとオフチェーンを含めた両方の方法論で、スケーラビリティに対する技術開発が進んでいる。現在多くの技術者がスケーラビリティの問題に取り組んでおり、今後の技術発展に期待したい。

Coindesk

No items found.
著者
真田雅幸
マーケット・アナリスト

米国の大学で経済学を専攻しお金の流れについて興味を持つ。在学中にビットコインに興味を持ち、bitbankのメディアで寄稿を行う。2015年頃からビットコインのトレードを始め、デリバティブ情報も分析しながらトレードを行う。

米国の大学で経済学を専攻しお金の流れについて興味を持つ。在学中にビットコインに興味を持ち、bitbankのメディアで寄稿を行う。2015年頃からビットコインのトレードを始め、デリバティブ情報も分析しながらトレードを行う。
MARKETSとビットバンクについて

bitbank MARKETSは国内暗号資産(仮想通貨)取引所のビットバンクが運営するマーケット情報サイトです。ビットバンクは日本の関東財務局登録済の暗号資産(仮想通貨)取引所です(暗号資産交換業者登録番号 第00004号)。

販売所について

ビットバンクの販売所なら、業界最狭クラスのスプレッドでお好みの暗号資産(仮想通貨)をワンタップで購入できます。

取引所について

ビットバンクならシンプルで軽量、しかも高い機能性を備えたスマートな暗号資産(仮想通貨)取引所で本格的トレードも可能です。

豊富な機能を持つ、
安定したビットバンクのアプリ。
外出先でも取引のチャンスを逃しません。
ビットバンクで暗号資産をはじめよう!
無料口座開設はこちら
新着記事
VIEW ALL
新着記事
VIEW ALL
市況・相場分析
VIEW ALL
調査レポート
VIEW ALL

ニュース速報

VEIW ALL