シンガポール金融管理局「仮想通貨取引を禁止する理由はない」

真田雅幸
2018-02-08
(
Thu
)

シンガポールの中央銀行にあたる金融管理局(MAS)のターマン・シャンムガラトナム局長は、仮想通貨を禁止にする強い理由が存在しないと述べた。シンガポールの金融システムに悪影響を与えないと考える一方、仮想通貨のインターネットを介したボーダーレスで送金可能である側面に対しては、管理・監視するといった観点からリスクになり得ることを示唆している。

MASは、2月5日に行われた議会の質疑応答でのシャンムガラトナム局長の発言内容を公表した。中国や韓国の仮想通貨取引に対する規制強化についての見解を問われたシャンムガラトナム局長は「仮想通貨は一種の実験であり、答えを出すには時期尚早だ」と答えている。

シャンムガラトナム局長は、仮想通貨には大きく分けて2通りの用途があるとしている。ひとつ目は取引における交換媒体としての用途。ふたつめは資産としての投資用途だ。現在は投資目的で利用されることが多いと同局長は認識しているようだ。

シャンムガラトナム局長は、アメリカ、イギリス、ヨーロッパ諸国を含め、リスクを抱える仮想通貨に関する国際ルールを定める必要性があると述べた一方で、経済的にも社会的にも有益になる可能性もあると語った。

また、イギリスのテリーザ・メイ首相は先月、仮想通貨が違法な取引に使われる可能性が高いとの見解を示し、真剣に対応策を練る考えであることを示した。しかし、仮想通貨に対する法改正が審議されているなどの情報は公表されておらず、慎重に検討を進めている状況だ。

韓国では仮想通貨取引に対する規制が強化され、今月から本人確認が完了していないアカウントでのKRウォンを介した取引が禁じられた。一方、KRウォンに係る送金及び取引は禁止されたが、仮想通貨取引全体を排除するには至っていないようだ。韓国政府は取引所のアカウントと銀行口座を紐付けて個人を特定しようと試みているが、ある調査報告によると1月30日時点で銀行口座に紐付いたアカウントは全体の約8%ほどであったという。

仮想通貨は世界中で取引されているが、規制方針はそれぞれの国で異なる。昨年まで仮想通貨取引の大半のシェアを誇っていた中国では、規制により取引が全面禁止されたが、世界中で仮想通貨取引の盛り上がりは継続した。

これはインターネットを通じてユーザーが他国へ移動したことを示唆しているのかもしれない。シャンムガラトナム局長の発言にもあるように、一国の規制では仮想通貨をコントロールすることはできないのだろう。

MAS 公式サイトDecentralMarket

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著者
真田雅幸
マーケット・アナリスト

米国の大学で経済学を専攻しお金の流れについて興味を持つ。在学中にビットコインに興味を持ち、bitbankのメディアで寄稿を行う。2015年頃からビットコインのトレードを始め、デリバティブ情報も分析しながらトレードを行う。

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