ロシアで大規模マイニングセンター設立の計画 政府も後押し

真田雅幸
2017-08-17
(
Thu
)
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ロシア政府高官のイーゴリ・シュワロフ氏はビットコインのマイニング事業に本格参入すると発表した。昨年までビットコインの売買行為を禁止し、最大で7年の刑期や罰金を課すなどネガティブな政策を取ってきたロシアだが、今年に入り姿勢を軟化させていた。その背景には、急速に広がりをみせる仮想通貨業界や仮想通貨のエキスパート達との会合を経ての結果がある。

ビットコインのマイニングは、中国のシェアが約6割と大きくリードしている状況が長く続いていたが、最近の価格上昇に伴いマイニングの予測利益も上がっていることから新規マイナーの参入インセンティブが高まっていた。

ロシア政府系マイニング事業を担当するドミトリ・マリニチェフ氏はすでに100億円規模のICO(Initial Coin Offering)で資金調達をすることを公表しており、本格的に中国に対抗する体制を構築し、将来的にロシアのマイニングシェアを30%まで引き上げたい考えだ。すでにアメリカではICOトークンが株式としてのレギュレーション化に向けてフレームワーク作りが徐々に進んでおり、ロシアがどのようなルール体制でこのICOを行うかにも注目したい。

ロシアのプーチン大統領は、6月にサンクトペテルブルグで行われた国際経済会議の際にイーサリアムの考案者ヴィタリック・ブテリン氏と会合を設け、仮想通貨やブロックチェーン技術にさらに興味を持ったようだ。

ビットコインのマイニングにはマイニング専用機器と安価な電気が必要になるが、マリニチェフ氏はICOで得た資金の10%を使いマイニング専用機開発の費用に当てることを計画している。ロシアの一時間の電気料金は1キロワットあたり$1.3セント(1.44円)まで抑えることが可能で、中国より安価な電気料金もマインニング事業に参入する要因になった。

電気料金はその国の発電方法に影響を受けるため, 天然資源の豊富なロシアは天然ガス発電が約50%と石炭とピート発電が20%のシェアを占め電気料金の低価格化に寄与している。再生可能エネルギーでの発電の割合が大きいドイツでは一時間の電気料金は約$35セント(38.82円)とロシアの約30倍だ。

最近起こったマイナー主導のビットコインキャッシュのハードフォークを鑑みても、マイナーのビットコインネットワーク内のプレゼンスは依然高い。今後のマイニング事業の新規参入の増加が予測され競争はさらに激化するだろう。しかしビットコインネットワーク全体で見れば、ネットワーク参加者が増えればセキュリティの更なる強化につながるだろう。

BloombergBitcoin.com

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著者
真田雅幸
マーケット・アナリスト

米国の大学で経済学を専攻しお金の流れについて興味を持つ。在学中にビットコインに興味を持ち、bitbankのメディアで寄稿を行う。2015年頃からビットコインのトレードを始め、デリバティブ情報も分析しながらトレードを行う。

米国の大学で経済学を専攻しお金の流れについて興味を持つ。在学中にビットコインに興味を持ち、bitbankのメディアで寄稿を行う。2015年頃からビットコインのトレードを始め、デリバティブ情報も分析しながらトレードを行う。
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