ICEが仮想通貨のエコシステム構築を目指す新会社Bakktを設立

真田雅幸
2018-08-06
(
Mon
)

アメリカで複数の金融商品取引所を運営するIntercontinental Exchange(ICE)が、仮想通貨を活用したサービスを提供するための新会社「Bakkt」の設立を発表した。Bakktは、売買、決済、保管などの複数のサービスを顧客に提供することで仮想通貨のエコシステムを構築する。

Bakktのオペレーションは、Microsoftのクラウドサービスを通じて行われる。Microsoftの他にStarbucksともパートナーシップを組んでおり、仮想通貨を使ってコーヒーを購入することができるようになる。

ユーザーは、Bakktを通じて商品を購入するが店舗に実際に支払われるのはドルだ。Bakktは、ユーザーと店舗の仲介サービスを提供することになる。

売上には消費税が課せられるため、店舗が仮想通貨の現物を決済手段として受け取るメリットは少ない。しかしBakktのような仲介業者を利用することで、現物を受け取らずに仮想通貨の支払いを受け付けることが可能になる。

ビットコインは元々仲介業者を必要としないP2Pでの取引ができるよう設計されているが、決済時に使えるアプリが普及しておらず実際に使うには不便な面がある。税制面での問題もあり、仮想通貨を即時にドルへ変換してくれるBakktのような仲介業者の存在が必要なのが現状だ。

クレジットカード決済と比べると、仮想通貨決済は手数料が比較的安いという点では店舗にメリットがある。クレジットカード会社が請求する店舗手数料は、店舗の種類によって異なるが飲食店では平均4〜7%となっている。仮想通貨決済の店舗手数料は約1%だ。さらに仮想通貨決済は、店舗に現金が振り込まれるまでの期間が比較的短いというメリットもある。

ICEは11月にビットコインの商品先物取引の提供を開始することも合わせて発表。商品先物取引は現物決済となっており、Bakktが保有するビットコインが活用される。

ビットコインの商品先物取引は昨年、CMEやCBOEといった取引所に上場しているが、差金決済取引であるため現物のビットコインが実際に取引されるわけではない。しかしICEが新たに提供する商品先物取引は、ビットコインの現物決済取引となっているため市場価格への影響はより大きいものと予想される。

Bakktは、機関投資家、小売業者、消費者を仮想通貨を通じてつなぐことが目的だ。仮想通貨は投資目的に購入されることが多いが、売買システムと決済インフラが統合することで使う需要も徐々に増えてくるのだろう。

Business Wire

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著者
真田雅幸
マーケット・アナリスト

米国の大学で経済学を専攻しお金の流れについて興味を持つ。在学中にビットコインに興味を持ち、bitbankのメディアで寄稿を行う。2015年頃からビットコインのトレードを始め、デリバティブ情報も分析しながらトレードを行う。

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