ビットコイン、SegWitアクティベーションが確定　価格は一時40万円に到達

セグリゲイテッド・ウィットネス（SegWit）が10ヶ月にわたる議論の末、ついにアクティベートされることが確定した。

SegWitのアクティベーションは、ビットコインのブロック番号#479707で確定。今日中にロックイン期間に入る。その後、約2週間後に、正式にビットコインのネットワーク上でSegWitのプログラムが有効化される。トランザクション展性など、セカンドレイヤーに向けた拡張への足かせとなっていた長年のバグが、分岐リスクのあるハードフォークなしに、ついに取り除かれた。

ロックイン期間は、マイナーやウォレットソフトがSegWitのプログラムに対応するための準備期間にあたる。マイナーが新プログラムに対応していない場合、ブロックチェーンのフォークが発生してしまうため、このような期間が設けられる。SegWitのシグナルを配信しているマイナーの殆どはSegWitに対応したプログラムを動かしているため、大きな問題は起こらないだろう。

その背後で、現在のビットコインのバージョン0.14.2の次のバージョンと目される0.15において、ある変更がマージされたことで、再び一部のコミュニティで議論が再燃した。

この変更は、コアコントリビューターであるMatt Coralloによって提案されたもので、「2018年8月1日まではサービスビット（Service bit）の’6’と’8'を使っているノードを切断しよう」というもの。ビットコインコアと互換性のないサービスビットがシグナルされることで、ネットワークに負荷がかかること、そしてビットコインのコンセンサスルールと互換性のないサービスが提供されることにより、コンセンサス層に問題が発生する恐れがあることから、この変更内容はマージされた。

サービスビットは「NODE_NETWORK」や「NODE_BLOOM」、「NODE_WITNESS」などピア通信に係る信号を、ノード自身がネットワークに対して通知するために存在する。各サービスビットは、「NODE_NETWORK = (1 << 0)」のように定義されており、このシフト数によってどのようなピアサービスを提供しているかを識別する。（bitnodes.21.coより確認することができる）

上記で指摘されたサービスビット’6’と’8'とは、「Bitcoin-ABC」（a.k.a BitcoinCash）と、「btc1」（a.k.a SegWit2x）のことだ。このふたつのクライアントには、それぞれ異なるサービスビットが定義されている。

たとえば、Bitcoin-ABCには、「NODE_BITCOIN_CASH」（6bit）というサービスビットが定義されており、BitcoinCash独自のルールがあることがわかる。また、btc1には、「NODE_SEGWIT2X」（8bit）が定義されており、SegWit2xはこれを用いてハードフォークを行う予定だった。これらのコードは、各リポジトリのsrc/protocol.hを参照することで確認できる。

これに反対するのは、SegWit2xをサポートするbtc1クライアントのリード開発者Jeff Garzikだ。

Jeff Garzikは、「NAK。この変更は早すぎるネットワークの分岐を引き起こす。ビットコインコアは、すべてのSegWit2xノードを切断するつもりか。」と批判した。しかし、Matt Coralloはこれに対し、「コアと互換性のないコンセンサスルールを実行しさえしなければ、分岐が起こることはない」と冷静に反論した。

またBlockstreamのCTOであるGregory Maxwellは、SegWit2xが100%完全に互換性のあるクライアントでない限り、将来的な接続の問題を引き起こす可能性があるとし、特定のP2P通信を遮断してでも相対的なネットワーク・トポロジを守る手段を取る必要もあるだろうと述べている。

Segwitのアクティベーションが確定したことで、ビットコイン相場は急騰。仮想通貨取引所bitbankでは、一時40万円を超える高値を付けた。