仮想通貨取引所でニセの出来高を作るマーケティング戦略が横行


仮想通貨取引所の比較サイトCrypto Exchange Ranks(CER)は、顧客を引きつけるためにニセの取引高を作るマーケティング戦略を採用している取引所があると報告した。これらの取引所ではニセの出来高を記録することで、Coin Market Cap(CMC)で上位に食い込み顧客にアピールする狙いがあるとCERはみている。
BitForex、FCoin、CoinExといった新興の仮想通貨取引所が突如としてCMCの取引所ランキングでトップ10に入った週があり、これを疑問視したCERのリサーチチームは、これらの取引所に関して調査を開始した。
今回公開されたブログでは、BitForexを人気取引所のKrakenとKuCoinと比較・分析している。ユニークユーザー数に対する出来高や、SNS上のユーザー数などのデータを利用した。
日次取引高はBitForexが7位にランクインした7月18日のデータが活用されている。2ヶ月前からの日次取引高平均は数百万ドルであったBitForexが、この日は突如として200百万ドルを記録。順位も70位からジャンプアップしている。同日のKrakenとKucoinの日次出来高はそれぞれ87百万ドルと27百万ドルとなっていた。
CERの調べによると、6月の月次ユニークユーザーはそれぞれ、BitForexが2.9万ユーザー、Krakenが66万ユーザー、Kukoinが88万ユーザーとなっている。つまり、KrakenにはBitForexの23倍のユーザーがサイトを訪れ、KukoinにはBitForexの30倍のユーザーがサイトを訪れていたことになる。
BitForexのサイトを訪れたユーザー数は他の2つの取引所と比べ少ないにもかかわらず、日次取引高はこの2つを上回るという不自然なデータが記録されている。BitForexの日次取引高は、Krakenの2.3倍、Kucoinの7.7倍となっている。
また、BitForexのユーザーはCMC経由とオーガニックサーチ経由が92%を占めており、ソーシャルメディアや広告を介したマーケティングを行っていないことも報告されている。
さらにTwitterの公式アカウントのフォロワー数を元にした比較では、BitForexが2000ユーザー、Krakenが31万ユーザー、KuCoinが29万ユーザーとなっており、こちらでもBitForexのユーザー数は他の取引所と比較して100分の1未満であった。
今回の調査では、BitForexの日次出来高はニセモノである可能性が高いと結論づけられている。一方、広告費を抑えつつ、CMCから流入するユーザーを確保できているため、マーケティング戦略としては費用対効果が高いといえそうだ。
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